2月5日からスタートした宮崎キャンプを終えました。選手に大きなケガもなく消化することができ、順調に仕上がってきていると手応えを掴んでいます。福岡大学、オリックス(2軍)、福岡ソフトバンク(2軍)、王子、日本新薬、國學院大学とのプロアマ交流戦、オープン戦の計7試合で5勝2敗という戦績で終えました。

 

 今年のキャンプで勝ちにこだわりました。もちろんオープン戦には選手をテストする意味合いもありますが、本番では誰が出ても勝たなければいけません。今まで以上にひとつひとつのプレーを丁寧に、勝ちにこだわって試合に臨みました。

 

 投手陣はコンディション不良で遅れているピッチャーは数名いるものの野手陣は概ね順調にきていると思います。NPBのチームとは私の古巣・広島カープとの試合が雨で中止となってしまったのは残念でしたが、オリックスとソフトバンクと対戦しました。どちらもお客さんが多く、両球団の人気の高さを感じましたね。

 

 対戦したオリックスとソフトバンクは若手中心のメンバーでしたが、生きの良い選手が揃っていましたね。特に印象に残ったのはウチとの試合でホームランを打ったソフトバンクの慶応義塾大学出身のルーキー広瀬隆太選手と3年目の正木智也選手。広瀬選手はどっしりにして力強いスイングができる。層が厚いチームですが、チャンスはあるはず。活躍を期待したいと思います。

 

 オリックス戦で先発した岩本大地は中央大学から、この春入社するルーキーです。コントロールが良く、4回をパーフェクトに抑えました。まず先発投手としてしっかりゲームをつくってくれたことを評価しています。力のある真っすぐを軸にスライダー、カットボール、カーブを駆使しました。中大では、プロ入りした西舘勇陽投手(巨人ドラフト1位)、石田裕太郎投手(横浜DeNA5位)に次ぐ3番手でしたが、下半身がしっかりしていて、投げっぷりもいい。普段はふわふわしたようなキャラクターですが、マウンドに上がると顔つきが変わる。先発、中継ぎとしても期待できそうです。

 

切り替えが大事

 私にとっては法政大学の後輩にあたる武富陸は中継ぎで結果を残しました。球速以上に打者を差し込むことができるサウスポー。法政時代も中継ぎを任されていた。横田哲のように困った時に頼りになるピッチャーに育って欲しいですね。前回も話しましたが、入社10年目の選手たちが非常に元気がいい。新人を含む5年目以下の選手たちが今後のセガサミーを担うわけですから、先輩たちに負けじと引っ張って欲しいですね。

 

 選手たちに伝えているのは、いかに「チェンジ」できるか。バッターは打てなくても、ピッチャーは打たれてもフォアボールを出したとしても下を向かずに堂々としていてほしい。気持ちの切り替えていくには、自分を信じるということが大切になっていきます。“打てない”“今日はダメだ”なんて思った瞬間に相手に負けている。ミスをしたとしても「次取り返す」と前向きな気持ちで切り替えてもらいたいです。

 

 そのためには気分転換も大事なこと。宮崎はセガサミーグループもあるまちですから、キャンプは地域との親交を温める機会でもあります。我々は地域に支えてもらっている。野球を頑張ることはもちろん大事ですが、社会人として交流を深めるも大切なことです。美味しい食事とお酒を楽しむことで、気分転換もできるでしょうしね。ただコンプライアンスはしっかりね。そこはきっちり守ってくれれば、羽を伸ばしてもらっていいと思っています。

 

 私自身、PL学園、法政、カープにいた時のチームメイトや先輩後輩、香川オリーブガイナーズの監督時代に関わった人たちもプロの世界にいますから、キャンプというのはいろいろな人たちとの交流の場になります。昔話に花を咲かせることができました。

 

 さて3月9日からのJABA東京都スポニチ大会を皮切りに公式戦がスタートします。この大会に優勝すれば日本選手権の出場権が得られる。我々にとっての“今季開幕戦”。この1年を駆け抜ける勢いのつくような大会にしたいです。ぜひ応援よろしくお願いいたします!

 

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