31日、第96回選抜高校野球大会決勝が兵庫・阪神甲子園球場で行われ、健大高崎(群馬)が報徳学園(兵庫)を3-2で下した。健大高崎は春夏通じて甲子園初優勝。群馬県勢初のセンバツ制覇となった。

 

◇決勝

 石垣、8回2失点の好投

報徳学園(兵庫)

2=200|000|000

3=201|000|00X

健大高崎(群馬)

 

 二枚看板を擁した健大高崎が、紫紺の大旗を手にした。

 

 健大高崎は石垣元気と佐藤龍月の2年生コンビ、報徳学園は間木歩と今朝丸裕喜の3年生コンビと投手2本柱を軸に勝ち上がってきた。決勝の先発マウンドには前日の準決勝で7イニング投げた石垣と、リリーフとして2死二、三塁のピンチを凌いだ今朝丸が上がった。

 

 石垣は立ち上がりを攻められた。ヒットとフォアボールで1死一、二塁のピンチを招いた。4番・斎藤佑征(3年)を打ち取ったものの、5番・安井康起(3年)に一塁線を破られ、先制を許した。中継プレーが乱れる間に一塁ランナーも還り、0-2とビハインドを負った。

 

 それでも健大高崎打線がすぐに取り返す。2死一、二塁の場面で5番・森山竜之輔(3年)が今朝丸から左中間を破る一打を放ち、2人を還した。今大会1安打と苦しんでいた主軸が石垣を救った。

 

 2、3回とランナーを出しながらもゼロで抑えた石垣を再び打線が援護する。3回裏、先頭の1番・斎藤銀之助(3年)がスリーベースでチャンスメイク。1死後、3番・高山裕次郎(3年)がライト前にタイムリーヒットを打ち、1点を勝ち越した。

 

 石垣は5回に2死満塁、6回には無死一、三塁のピンチを招いたが、いずれも踏ん張り、同点のホームを許さない。8回まで2失点(自責点1)に抑えて、同学年の佐藤に最終回のマウンドを譲った。

 

 健大高崎甲子園初制覇の締めくくりを託された佐藤は、ここまで4試合を投げ21イニング連続無失点のサウスポーだ。7番・徳田拓朗(3年)を見逃し三振、8番・辻本侑弥(3年)をファーストゴロに切って取り、あと1アウトに。代打・貞岡拓磨(3年)を四球で出したものの、この日ショートで再三好守を見せていた橋本友樹(3年)を空振り三振に仕留めて逃げ切りに成功した。

 

 健大高崎は2001年に共学となり、翌年野球部創部。22年の歳月を経て、ついに甲子園優勝を果たした。創部当時から指揮を執る青柳博文監督の悲願を達成した。

 

(文/杉浦泰介)