「NTTジャパン ラグビー リーグワン2023-24」ディビジョン1第12節が6日に行われ、横浜キヤノンイーグルスがリコーブラックラムズ東京を31-12で下した。イーグルスは3トライ差(イーグルス5、ブラックラムズ2)によるボーナスポイント1を加えた勝ち点5を獲得。通算成績を8勝4敗、勝ち点38とし、暫定4位に浮上した。

 

 イーグルスが2季連続のプレーオフ進出へ、東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場で価値ある勝ち点5を手にした。

 

 試合前の時点で順位は5位のイーグルスが上だが、ディビジョン2との入れ替え戦に回る下位3チームからの脱出を図りたい10位のブラックラムズは容易い相手ではない。前半7分、ラインアウトモールからHO中村駿太がトライを挙げるなど7点を先制したものの、その後は苦しい展開が続いた。

 

 自陣に押し込まれる時間帯が多く、25分にはNo.8アマナキ・レレィ・マフィが危険なタックルでイエローカードを受け、数的不利に陥った。それでもゴールラインを割らせないとばかりに身体を張ってディフェンス。ブラックラムズに得点を許さなかった。

 

 前半終了間際にはラインアウトモールから今度はFL嶋田直人がトライ。攻守、セットプレーに奮闘するFWに対し、FB小倉順平からは「FWめっちゃいいぞ!」との声が飛んだ。「ブラックラムズさんは大きいFWがモメンタムをつくり、ランに長けたBKにボールを渡したいという狙いがあるはず。僕たちFWがそのモメンタムを出せないかをこの1週間話していた」と嶋田。その言葉通り、相手に勢いをせき止め、前半を12-0とリードして終えた。

 

 後半最初のスコアもイーグルス。9分、FLコーバス・ファンダイクが力強い突破でインゴール中央に飛び込んだ。「チームに勢いを付けるためにベストを尽くしただけ。トライを取れたのはボーナスみたいなもの」とファンダイクは淡々と語った。18分には左サイドを突破し、フィニッシュはCTB梶村祐介。24-0とリードを広げた。

 

 今季最後の駒沢で負けられないブラックラムズもリザーブのインパクトプレーヤーを中心に意地を見せる。途中出場のSH南昂伸が2トライを挙げるなど意地を見せたが、終わってみればイーグルスが31-12と3トライ差を付けての勝ち切った。

 

 試合後、イーグルスの沢木敬介監督は「勝ち点5を取れたことは良かったが、内容は満足できるものじゃない」と語った。キャプテンの梶村も「このレベルでプレーしていては去年を超えることはできない」と笑顔はなかった。チームは「NEXT LEVEL」をスローガンに更なる成長を見据える。

 

 今季は規律面の向上のため、反則減少に取り組んでいる。トレーニングでレフリー資格を持つグラウンド広報の道添文土氏に厳しくチェックさせることや、節ごとの担当レフリーのクセをチェックしているという。「少しでもグレーなプレーをしたらペナルティーという状況をつくっている」と沢木監督。道添氏も「普通の試合では反則にならないようなプレーでも笛を吹きます。吹かなかったとしても、『これはレフリーによっては反則をとるよ』と選手とコミュニケーションをとっています」と話す。

 

 選手にも話を聞いた。

「そこ(反則を減らすこと)は選手たちもこだわっていますし、練習でレフリー役を務めるコーチやスタッフが本当に厳しく見ている。それが試合に繋がっているんだと思います」(嶋田)

「昨季は規律の乱れで落とした試合が多かった。しっかり(反則を減らそうと)取り組んで、それが成果となっている」(ファンダイク)

「レフリーの特徴を共有し、“ここを気を付けよう”と話し合っている。クリアな状態で試合に臨めているのが反則が減っている要因だと思います」(WTB竹澤正祥)

 

 この日は19個とかさんでしまったが、12試合で101個(リーグ最少タイ)の反則は1試合平均にすると8.4個。昨季と比較しても約3個(11.3)減らしている。影の立役者である道添氏は「選手がグラウンドで体現してくれているから」と言う。リーグワン初代王者の埼玉パナソニックワイルドナイツ、昨季王者のクボタスピアーズ船橋・東京ベイも、優勝したシーズンは1試合平均反則数(不戦勝・不戦敗は除く)がリーグ最少だった。リーグ戦は残り4節。すべては「NEXT LEVEL」を体現するために。

 

(文・写真/杉浦泰介)