15日、女子バスケットボールのWリーグプレーオフ・ファイナル第3戦が東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われ、富士通レッドウェーブがデンソーアイリスを89-79で破った。富士通はこれで通算成績を2勝1敗とし、16季ぶり2度目の優勝を果たした。プレーオフMVPにはファイナルで1試合平均19.67得点の宮澤夕貴(富士通)が輝いた。

 

◇プレーオフ・ファイナル第3戦

 富士通、FG成功率60%の高確率(富士通2勝1敗)

富士通レッドウェーブ 89-79 デンソーアイリス

【第1Q】23-22【第2Q】22-14【第3Q】19-19【第4Q】25-24

 

(写真:キャプテンとして得点源としてチームを牽引した宮澤 ©Wリーグ)

 試合後、コート場で行われる勝者チームへのインタビュー。通常マイクの前に立つのはHC、選手の順に1人ずつだが、この日の富士通BTテーブスHCは「マイファミリーがいなきゃダメ。こっちに来てください」と選手、スタッフを呼び込んだ。指揮官が呼ぶファンを含めた「ファミリー」の存在が富士通の強さの源だ。

 

 1勝1敗で迎えた第3戦。富士通は町田瑠唯、林咲希、内野聡菜、宮澤、ジョシュア・ンフォンノボン・テミトペのスターティングファイブで臨む。シーズンの大半、そしてプレーオフ全6試合をこの5人でスタートしている。開始早々、内野と宮澤がスリーポイントを外したが、2本目のオフェンスリバウンドでボールを再獲得すると、林咲希が決めて先制した。富士通は宮澤、テミトペの6得点などで第1クオーター(Q)を23-22とリードして終えた。

 

(写真:積極的にゴールへアタックした町田 ©Wリーグ)

 第2Qから富士通のバスケットが猛威を振るう。宮澤らスターターが順調にスコアを重ねると、ベンチメンバーの赤木里帆も加点する。45-36と9点差を付けてハーフタイムを迎えた。第3Qで点差は変わらず。第4Qで突き放した。リバウンドで10本以上(富士通33、デンソー21)上回り、スピードあるバスケットでデンソーを圧倒した。これにはテーブスHCも「個人スタッツを見ると理想的な試合、スコアのバランスやリバウンド、そして何よりもアシスト数が29です。これは富士通のコンセプトのひとつであるムーブボール、ムーブボディができた結果」と胸を張った。

 デンソーはファウルゲームで逆転勝利に懸けたが、追い上げは届かなかった。皇后杯全日本選手権大会を制し、初タイトルを掴んだが、リーグタイトルはレギュラーシーズン1位の富士通に奪われた。

 

(文・表彰式写真/杉浦泰介)