準優勝デンソーの明るい未来 〜Wリーグ〜
第3戦までもつれたプレーオフ・
ファイナル第3戦後の会見で、ヴラディミール・ヴクサノヴィッチHCは「あともう少しで手が届きそうだったが届かなかった。ハードワークをし続けた選手とスタッフに感謝したい」と述べた。このチームの未来について、大黒柱・髙田真希はこう話した。
「6年ぶりのファイナル。その試合を経験している選手は多くない。この負けを次に繋げていくことが重要。ファイナルに出て、勝つために何が必要かを肌で感じることが大事だと思っています。こういう経験してきたからこそ成長できたと言える今後にしていきたい」

ムードメーカーはコート内のみならず外でもチームを明るく照らし続けた。赤穂ひまわりがセミファイナル第3戦後の記者会見で、出だしでシュートミスしたことについて言及された際、「やらかしたなと思いましたが、あまり引きずることなかった」と言うと、すぐさま「今年のデンソーは周りが引きずらさせませんから」と言い切った。

その木村はPGとしてレギュラーシーズン26試合とプレーオフ5試合全てでスターターとして起用された。レギュラーシーズンでは1試合平均7.04得点、同4.69アシストは昨季から数字を伸ばした。ファイナル第3戦でも10得点9アシスト3スティールを記録。本人は「周りの先輩がいてくださるからこそ自分の得点やアシストが増えている」と謙遜したが、髙田も「木村の活躍なくしてファイナルの舞台には立てなかった。ハッスルしてくれて、個性的なメンバーがいる中でもまとめてくれた」と成長を認めていた。

皇后杯とWリーグの2大会でファイナルへ進んだデンソー。他チームからのマークもさらに厳しくなってくるだろう。髙田が言うように今季、手にした収穫と課題をきっちり来季に繋げられるかがカギを握る。栄光への近道はないのである。
(文/杉浦泰介、写真/©Wリーグ)