6月8日(日)、J2第18節となる愛媛FC対FC岐阜の一戦が、ホーム(ニンジニアスタジアム)にて行われた。
 ホームゲーム3連戦の初戦となるこの試合。良い結果を出して連戦に向けて弾みを付けたい。
(写真:敵ゴール前、激しいポジショニング争い)
 この日は、朝から曇りがちの天候ではあったが、ピッチコンディションは概ね良好。気に掛かるのは、先月末、梅雨入りした愛媛県地方の蒸し暑い気候。選手達のスタミナを奪い去り、体力を消耗させる心配がある。
 試合開始前、去る6月2日に亡くなられた長沼健氏(日本サッカー協会最高顧問)へ哀悼の意を表し、Jリーグフラッグ、チームフラッグ共に半旗が掲げられる中、会場全体で黙祷が行われた。
 
 蒸し暑さが一段と増してきた午後1時、FC岐阜のキックオフで試合がスタートした。
 立ち上がり、敵の素早いチェイシングに手を焼き、自陣に押し込まれる愛媛FC。思うような攻撃が展開出来ない。
 それでも、前半15分を経過する頃から、左サイドMF江後賢一選手のスピードを活かし、サイドから攻撃を組み立てる。

 前半16分、江後選手の果敢な高速ドリブルを、敵DFが防ぎ切れずファウルで止め、敵陣内深い位置でフリーキックのチャンスを得た。キッカーは、MF赤井秀一選手。敵陣内左サイドから、ゴール前に低い弾道のセンタリングを供給する。このボールを捉えるべく、FW横山拓也選手敵DFと競り合いつつ、身を投げ出し、ゴール前に頭から飛び込む。しかし、ヘディング寸前で、惜しくも敵DFにクリアされ、シュートを放つことは出来なかった。
 
 一進一退の攻防が続く中、数少ないチャンスを、得点に結び付けられない愛媛。
 前半36分、自陣ゴール前での混戦からのクリアボールを足元に収め、中央をドリブルで駆け上がるMF宮原裕司選手。そのまま敵陣内へとドリブルでボールを持ち込んでいく。宮原選手はペナルティアーク手前で敵DFを引き付けつつ、左サイドスペースに陣取る横山選手に向け、スルーパスを供給する。

 ボールを受けた横山選手が、ドリブルでペナルティエリアに侵入。次の瞬間、ファーサイドに向けてクロスボールをあげた。逆サイドで陣取っていたのは宮原選手。このボールを捉え、左足でノートラップ・ボレーシュートを放った。グラウンダーのボールは、惜しくもゴールマウスを捉えることは出来ず、先取点のチャンスを逃してしまった。
 
 前半戦は、0−0のスコアレスで終了。
 後半戦序盤、敵選手によるファウル紛いの激しいチェックで、敵陣内に上手くボールを運べない愛媛。時間が過ぎて行く中、フレッシュな選手を投入しつつ、サイドスペースを活かした攻撃を展開する。
(写真:敵のタックルに手を焼く、愛媛イレブン)

 後半38分、センターサークル付近で、MF横谷繁選手が敵の足元からボールを奪う。こぼれたボールをMF高杉亮太選手が拾い、前線のFW田中俊也選手へとパスを送る。ボールを受けた田中選手が、ペナルティアーク手前までドリブルでボールを運び、左サイドをオーバーラップして上がって来たDF三上卓哉選手へとパスを送る。

 ペナルティエリア左サイドまで駆け上がって来た三上選手が、このボールをファーサイドに向けて、ロビングのセンタリングを供給。敵DFのマークを外しつつ、ファーサイドに飛び込んで来たのはFW三木良太選手。ジャンプ一番、ヘディングシュートを放ったが、敵GKにクリアされ、惜しくも得点ならず。またしても、決定的なチャンスを逃してしまった。
 
 その後もゴール目指して奮闘し続けた愛媛イレブンだったが、無情にも時間は過ぎ去り、ついにはタイムアップ。最終スコア0−0のスコアレスで、無念の引き分けに終わった。
 
 前節、大勝を収めた相手だけに、今節も勝利を手にしたかったが、チャンスをモノに出来ず、消化不良のような試合だった。
 蒸し暑さのため体力を消耗していたのか、ボールを奪い、攻撃を組み立てる場面において、選手たちの足が止まるシーンが見受けられた。夏本番に向け、基礎体力とスタミナの強化が、望まれるように感じた一戦であった。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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