「NTTジャパンラグビー リーグワン2023-2024」のディビジョン1プレーオフトーナメントに出場する埼玉パナソニックワイルドナイツ、東芝ブレイブルーパス東京、東京サントリーサンゴリアス、横浜キヤノンイーグルスの4チームのキャプテンが都内で行われた記者会見に出席し、意気込みを語った。

 

 

 唯一無敗でレギュラーシーズンを終えたのがワイルドナイツだ。キャプテンのHO坂手淳史は「16試合すべてに勝つことができましたが、今季は“どの試合でも成長していきたい”“どの試合も満足せずに常に強くなり続けていこう”と、チームみんなで意思統一してきました。常に成長し続けられたと感じています」とここまでを振り返り、「この勢いや成長をプレーオフにつなげていきたい」と語った。

 今季は持ち味の堅守だけでなくアタックにも磨きがかかった。リーグ最少失点(275)に加え、得点数(747)、トライ数(106)でもリーグ最多。攻守ともに隙が見当たらない。坂手も「アグレッシブにゲームをコントロールしながら、ボールを保持してアタックをするところが昨季よりレベルアップしている」と手応えを口にする。

 

 準決勝の対戦相手は昨季と同じくイーグルス。「今季3度目の対決。さらに先週(5月4日)も戦っている。いい準備をし、自分たちのラグビーにフォーカスしていきたい。イーグルスさんは沢木(敬介監督)さんを中心に、何をやってくるかわからないところもあるので、そこに対応できるようにみんなで練習したい」と坂手。対するイーグルスのキャプテンCTB梶村祐介は「何をしてくるかわからないアタックというのは、自分たちの強みでもあると思っています。ただ、プレーオフだからといって、特別なことをするのではなく、いかにいつも通りプレーできるかが重要になってくる。そこにしっかりフォーカスしたい」と話した。

 

 今季レギュラーシーズンの対戦は2戦2勝(53-12、43-14)、公式戦では2013年9月7日以降、負けていない。梶村は「まずは準決勝でワイルドナイツさんにリベンジをしたい」と静かに燃えている。梶村は勝敗のポイントに「規律が乱れないこと」を挙げる。ワイルドナイツのSO松田力也というプレースキッカーがいるため、特に自陣での安易な反則は避けたい。イーグルスは今季ペナルティー減に意欲的に取り組み、昨季の181から143と大きく減らしているだけにプレーオフでも、“普段着”の戦いをしたいところだ。

 

 もうひとつの山はブレイブルーパスvs.サンゴリアスの“府中ダービー”となった。2年前のプレーオフ準決勝でもぶつかり合ったライバル。「府中ダービーはやっていても楽しい」とはブレイブルーパスのキャプテン、No.8リーチマイケル。サンゴリアスキャプテンのHO堀越康介が「特別なもの。気合いの入り方が違う」と言うように好ゲームが期待される。

 

 2年前の対戦ではサンゴリアスに軍配が上がったが、今季のブレイブルーパスは一味も二味も違う。ニュージーランド代表56キャップのSOリッチー・モウンガ、同33キャップのFL/No.8シャノン・フリゼルがチームの推進力となっている。そのモウンガについて、リーチは「ボールを持ったら何かをやってくれる」と全幅の信頼を寄せる。対戦相手の堀越も「80分間通してプレッシャーをかけていかないと危険な選手」と警戒する。

 

 

 レギュラーシーズン2戦はいずれもブレイブルーパスが勝利(26対19、36対27)した。それでもリーチは「負けた後のサントリーなので、何をしてくるか。しっかり準備したい」と気を引き締めている。堀越は「リベンジできるチャンスが巡ってきた。僕たちもいい準備して向かっていきたい」と続いた。プレーオフ準決勝のキックオフはワイルドナイツvsイーグルスが18日、ブレイブルーパスvs.サンゴリアスが19日、いずれも14時5分から東京・秩父宮ラグビー場で行われる。

 

(文・写真/杉浦泰介)