今季からアイランドリーグに新規参入する長崎セインツは5日、元西武でヤンキース傘下でもプレー経験のある前田勝宏投手を獲得したと発表した。アメリカ、台湾、イタリアなど世界各地を渡り歩いた右腕が長崎の地でNPB復帰を目指す。今シーズン、元NPB選手のリーグへの入団は4人目。

 前田は1971年6月23日、兵庫県生まれ。神戸弘陵高からプリンスホテルを経て、93年にドラフト2位で西武に入団した。150キロを超える速球派として期待がかかったが、1勝もあげられず96年に渡米。ヤンキース傘下のマイナーリーグで5年間プレーした。メジャー昇格はなく、01年には日本球界に復帰して中日へ。その後、台湾の興農、イタリアのボローニャ、中国の上海など各地のマウンドを経験した。

 05年からは日本でアマチュア復帰し、昨年はクラブチームの「岩手21赤べこ野球軍団」で投手兼任コーチとして初の都市対抗出場に貢献した。ところが赤べこ野球軍団は資金難に伴い、廃部。前田は新たなプレー場所を求めていた。日本でのプロ通算成績は25試合で0勝2敗、防御率4.89。

 新しいチームにとって、経験豊富なベテラン選手は貴重な存在だろう。非公式ながら160キロをマークしたこともある快速球でファンを沸かせるだけでなく、事実上のプレーイングコーチとして若手投手を引っ張る役割も期待できそうだ。


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