女子サッカー・WEリーグ第22節の大宮アルディージャVENTUS対INAC神戸レオネッサの一戦が25日、NACK5スタジアム大宮で行なわれ、大宮が0対2で敗れた。試合は前半34分、FW愛川陽菜の得点でⅠ神戸が先制した。その6分後にはFW田中美南が追加点を奪い、このままⅠ神戸が逃げ切った。リーグ戦は今季すべての日程を消化した。I神戸は2位(15勝4分3敗、勝ち点49)、大宮Ⅴは7位(7勝4分11敗、勝ち点25)でリーグ戦を終えた。また、この試合で大宮Ⅴの元女子日本代表(なでしこジャパン)のDF鮫島彩らが現役を引退した。
鮫島、来季は「ビール片手にWEリーグ見る」(NACK5)
大宮V 0-2 I神戸
【得点】
[神] 愛川陽菜(34分)、田中美南(40分)
鮫島は慣れ親しんだ左サイドバックでスタメンフル出場した。「体力的にはまだできる」と本人が言うように、90分超、足が止まることはなかった。左サイドのタッチライン沿いで上下動を繰り返した。
16分には左足でアーリークロスを供給するものの、わずかにゴール前の味方には合わなかった。後半38分には敵陣深い位置までえぐってクロスを入れたが、これも味方に合わず。現役ラストの公式戦でアシストとはならなかった。
試合後には引退セレモニーが行なわれ、鮫島は大宮ファンと前所属、つまり古巣のI神戸ファンに直接、引退を報告した。「これからはビール片手にWEリーグを観戦したい。みんなで一緒にWEリーグを盛り上げましょう」と笑顔でセレモニーを締めくくった。
現役引退の公式発表は突然だった。具体的に引退を決めた日時を会見で問われ「1年1年やりきるというスタンスでここまできた。いつ引退を決めたかといわれると、本当に今週です。やり切った。このチームのメンバーに囲まれて引退したかった」と語った。
今後の身の振り方について問われるとこう答えた。
「明確なビジョンはない。いろんなことにチャレンジしたいとは思うが、2022年から大学院に通っているので、論文など学業をまっとうしたい」
現在、大学院では「WEリーグの観戦者について研究している」という。「裏方のプロモーション、マネジメント、集客に関することには昔から興味があったので触れていけたらいいな」と鮫島。彼女の研究の成果が陽の目を浴びるも、そう遠くはないのかもしれない。
現役は退いたものの、新たなステージに進む鮫島の動向から目が離せない。
(文/大木雄貴)