27日、ラグビーの「NTTリーグワン アワード2023-24」が都内で開催され、ディビジョン1のMVPには優勝した東芝ブレイブルーパス東京のSOリッチー・モウンガが輝いた。モウンガはベストフィフティーン、各チームの選手が選ぶ「プレーヤー・オブ・ザ・シーズン」も受賞。新人賞には3位の東京サントリーサンゴリアスからSO髙本幹也が選ばれた。ベストフィフティーンには決勝を戦ったブレイブルーパスと埼玉パナソニックワイルドナイツ勢がそれぞれ5人ずつ選出。そのほか得点王、最多トライゲッターなどの個人賞受賞選手が表彰された。

 

 チャンピオンチームの10番が、MVP、ベストフィフティーン、プレーヤー・オブ・ザ・シーズンの個人3冠を獲得した。オールブラックス(ニュージーランド代表)56キャップの司令塔は、その実力をシーズン通して遺憾なく披露。レギュラーシーズン13試合に出場し、リーグ5位の145得点を挙げた。

「チームが一丸となった努力の結果として優勝することができた。昨日、チームメイトにも話しましたが、優勝して自分自身がうれしいというよりも、このクラブのために長く頑張ってきた人々のことを思うと、とてもうれしい。この賞(MVP)に関しては、今年父が亡くなってしまったので、天国にいる彼に捧げたいと思う」

 

 14季ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。決勝後の記者会見で、キャプテンのリーチマイケルが“モウンガ効果”をこう語っていた。
「ラグビーIQと言えるかなと思います。成功を収めたチーム、(スーパーラグビーの)クルセイダーズ、オールブラックスで優勝や勝利を掴んできた選手です。判断力、ゲームコントロールをする能力を今日の試合でも発揮していました。チームにとって大きな存在です」

 

 リーチの言うように前所属のクルセイダーズ、オールブラックスに多くのタイトルをもたらしてきた“優勝請負人”だ。トッド・ブラックアダーHCも「世界の一流選手の中でも、リッチー(・モウンガ)ほど決勝の舞台に立った選手はそう多くはいないと思う。彼はチームに必要なことをシンプルにかつ明確に伝えてくれたマスターのような存在でした」と絶大なる信頼を寄せる。

 

 ブレイブルーパスとは複数年契約を結んでおり、来季はモウンガと共にリーグワン連覇に挑む。
「同じことをやり続けて連覇はできない。グループとして進化する必要があります。クルセイダーズで経験しています。毎年、チームを進化させていかなければならない。1回のタイトルで満足するのか、もっと欲しいのか。それはグループ自身にかかっていると思います」

 


 優勝したブレイブルーパスからはモウンガ、FLシャノン・フリゼルのオールブラックスコンビのほか、PR木村星南、HO原田衛、LOワーナー・ディアンズがベストフィフティーンに選ばれた。5人はいずれもブラックアダーHC体制となった19年度以降に入団した選手たちだ。

 

 中でも木村、原田、PR小鍛治悠太のフロントローは新生ブレイブルーパスの象徴的ユニットだ。ブラックアダーHCはプレーオフトーナメント決勝後の会見でも、成長著しい若手について、こう語っていた。
「誇りに思います。若くて有望な選手が揃っているので、彼らの育成に注力しています。彼らはプレーする権利をつかみ取っているので、メンバー選びに迷いはありませんでした。自分たちの信念を持つことができている選手たちです。うれしいのは、これからもっと若い選手たちを輩出できることです」

 

 原田は堀江翔太、坂手淳史(いずれもワイルドナイツ)、堀越康介(サンゴリアス)といった代表常連組を押しのけての選出にも「シーズン最初に目標としていたので、選ばれて良かった。ただ僕的には満足していない。来シーズンも活躍できるよう頑張りたいです」 と言う。木村は9季連続(中止となった20-21シーズンは除く)受賞の稲垣啓太(ワイルドナイツ)の牙城を崩したかたちだ。木村は「(優勝に)ちょっとは貢献できたかなと思うんですが、まだまだ足りない部分が多い。もっとワークレートを高くしたい。アタックの部分で前に出て、ディフェンスでもチームのためにハードワークしていきたい」と前を見る。

 

 14季ぶりの優勝を果たし、名門復活の狼煙を上げた。

「東芝で優勝するためにこのチームを選んだ。結果的に優勝できてうれしい、連覇を目指して頑張ります」(原田)

「連覇しか見ていないです」(木村)

 ビッグネームだけではない。若き“猛勇狼士”たちがブレイブルーパスの勢いを牽引する。

 

 主な受賞チーム、選手は次の通り。

 

【優勝】

東芝ブレイブルーパス東京

【準優勝】
埼玉パナソニックワイルドナイツ
【3位】

東京サントリーサンゴリアス

【4位】

横浜キヤノンイーグルス

【フェアプレーチーム賞】

静岡ブルーレヴズ

 

【MVP】
リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京) 初

【新人賞】
髙本幹也(東京サントリーサンゴリアス)


【得点王】
ブリン・ガットランド(コベルコ神戸スティーラーズ) 217得点 (5T/66G/20PG) 初

【最多トライゲッター】
マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ) 15トライ 初
【ベストキッカー】

ブリン・ガットランド(コベルコ神戸スティーラーズ) 83.5% 初
【ベストラインブレイカ―】
尾﨑晟也(東京サントリーサンゴリアス) 30回 初
【ベストタックラー】
ピーター・ラピース・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) 初

【優秀ヘッドコーチ賞】
トッド・ブラックアダー(東芝ブレイブルーパス東京) 初

【ベストホイッスル賞】
古瀬健樹 2季連続2回目

 


【ベストフィフティーン】
PR1 木村星南(東芝ブレイブルーパス東京) 初
HO 原田衛(東芝ブレイブルーパス東京) 初
PR3 オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) 3季連続3回目
LO ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京) 2季連続2回目
LO ルード・デヤハー(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 初
FL アーディ・サベア(コベルコ神戸スティーラーズ) 初
FL シャノン・フリゼル(東芝ブレイブルーパス東京) 初
No.8 ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 初
SH 小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 初
SO リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京) 初
WTB マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ) 初
WTB 尾﨑晟也(東京サントリーサンゴリアス) 2季連続2回目
CTB ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 3季連続3回目

CTB ダミアン・デアレンデ(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 初
FB アイザック・ルーカス(リコーブラックラムズ東京) 2季ぶり2回目 ※1回目はSOで選出

 

【プレーヤー・オブ・ザ・シーズン】
SO リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京) 初

【ゴールデンショルダー】
ジョーンズリチャード剛(静岡ブルーレヴズ) 初
【社会貢献賞】

静岡ブルーレヴズ 初

日野レッドドルフィンズ 初

 

(文・写真/杉浦泰介)