東京ヤクルトスワローズの新入団選手の発表会見が6日、都内で行われ、先の大学生・社会人ドラフトで6巡目指名を受けた三輪正義内野手(香川)、育成ドラフトで指名された小山田貴雄捕手(高知)が初めてユニホームに袖を通した。背番号は三輪が「60」で小山田は「112」に決まった。

(写真:大勢のファンをバックに記念撮影する三輪(右)と小山田)
 集まった300名のファンを前に三輪は「背番号60は昨日聞いた。香川時代も6だったので、早く0を取りたい」と力強く宣言。6番といえば先の五輪アジア予選でも日本代表のキャプテンを務めた宮本慎也の背番号だ。日本を代表するショートストップの“後継者”として名乗りをあげ、ファンをうならせた。「おまえがヤクルトのショートだと認めてもらえるようにプレーしたい」。まずは背番号6の背中を追いかけ、追いつくことを目標に掲げた。

 実は東京に来たのは生まれて初めて。東京タワーをみて上京した実感が沸いたという。昨日は岡林洋一スカウトとともに、ホームグラウンドである神宮球場を見学した。「指名がなければ、一生来ることはなかった場所」。テレビでしか見たことのなかったグラウンドでのプレーに心を躍らせた。
(写真:「(同じリーグ出身で)話し相手がいて、すごくいい」。小山田のサインを覗き込む三輪)

 現在、神宮球場は改修工事を行っており、来季から両翼が91メートルから101メートルに拡張される。「足を使った攻撃と堅実な守備」を持ち味にする三輪にとってはプラス材料だ。「あまり(最初から)期待されていないと思いますよ」と本人は笑うが、高田繁新監督も三輪の武器を高く評価しており、ルーキーイヤーからベンチ入りできる可能性は充分にある。
「香川時代も背番号6だったし、指名も6巡目。6という数字に縁があるのかな」。ならば、狙うは60盗塁――。近年では赤星憲広(阪神)が達成しただけの記録に向かって走り続ける。

 一方、父・健一氏(故人)がヤクルトのブルペン捕手を務めていた小山田は「小さい頃からヤクルトは大ファンだった。うれしいです」と挨拶。190センチの長身がステージに登場すると、ファンからも驚きの声があがった。「ユニホームを着てみると改めて背番号を3ケタから2ケタにしようと思った」。育成選手の背番号は3ケタと決まっているため、支配下登録選手の証である2ケタの背番号へ、飛躍を誓っていた。

 球団としては初めて実施されたファンを集めた入団会見は、サイン色紙のプレゼントや、来場者とのハイタッチで盛り上がった。アイランドリーグで3年プレーしたこともあり、ファンサービスはお手のもの。ハイタッチでは2人が列の先頭に立ち、他のルーキーを引っ張った。

「ありがとうございました!」。小山田が真っ先に大きな声で元気よくファンにお礼を述べると、隣の三輪が「いい声!」と返す。加藤幹典(慶應大)、佐藤由規(仙台育英)と注目のルーキーが入団する来季のヤクルト。身長168センチの三輪と身長190センチの小山田はアイランドリーグ出身の“デコボココンビ”として、ルーキーたちの盛り上げ役になりそうだ。
(写真:佐藤(前列左)、加藤(前列右)などヤクルトの新入団選手)

 これでヤクルトには今季入団した伊藤秀範投手(元香川)も含め、3名の元アイランドリーガーが在籍する。三輪、小山田の両選手は来年1月10日から始まる合同自主トレに参加。NPBプレーヤーとしての1年目がスタートする。高田監督は「ヤクルトは来シーズン大きく変わる。そのためには若い力が必要だ。この中から1人と言わず、2人、3人と出てきてほしい」と若燕たちに期待を寄せた。

 ヤクルトは今シーズン最下位に沈み、戦力の底上げなくして上位浮上は望めない状況だ。「チャンスが必ず全員にある」。指揮官はそう断言した。伊藤が投げ、小山田が受け、打球を三輪がさばく。アイランドリーグ出身トリオが新生スワローズを牽引する日を楽しみにしたい。
 なお、三輪は契約金500万円、年俸500万円、小山田は支度金300万円、年俸300万円で正式契約を結んでいる。

<ロッテ・宮本が誕生>

 千葉ロッテマリーンズから育成ドラフトで指名を受けた宮本裕司捕手(高知)が6日、高知市内で入団交渉を行い、正式契約を結んだ。支度金100万円、年俸240万円で、支配下選手登録された場合は出来高払いとして500万円が追加される。7日には同じくロッテから育成指名を受けた小林憲幸投手(徳島)、白川大輔選手(高知)の入団交渉が行われる。

(記事中の金額は推定)

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