新生ジャパンで挑むW杯、“本気”のアメリカと再戦へ ~女子ソフトボール~

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 第17回WBSC女子ワールドカップ・ファイナルステージが現地時間15日、イタリア・カスティオンス・ディ・ストラーダで開幕した。日本代表は1次リーグ、グループBを3連勝で首位通過。18日現在、2次リーグのスーパーラウンドで決勝進出をかけて戦っている。

 

 新生ジャパンで世界一へ。金メダルを獲得した2021年の東京オリンピックメンバーから主砲の山本優、山田恵里、ショートの渥美万奈、正捕手の我妻悠香ら主力は引退。残ったのは上野由岐子(ビックカメラ高崎ビークイーン)、後藤希友(トヨタレッドテリアーズ)、川畑瞳(デンソーブライトペガサス)の3人だけと大幅に選手が入れ替わった。新キャプテンにはトヨタのショート石川恭子が就いた。

 

 新生ジャパンについて、エースの後藤は「元気の良さが売りです。年齢層が低くなり、私と同年代(2000年生まれ前後)の選手がすごく多い。すごく明るいチームですし、東京オリンピックの時とは違った雰囲気でやらせてもらっています」と語った。

 

 20代前半の選手が多いチームは、7月4日から8日にかけて3試合戦った日米対抗では宿敵アメリカを3タテしてみせた。第1戦は1対0と投手戦に勝ち、第2戦は9対5と打撃戦を制した。第3戦は6回コールド(8対1)で圧勝。勢いに乗って、イタリアへ乗り込んだ。

 

 それでも41歳のベテラン上野は気を緩めない。

「このメンバーでどう戦っていくのか、戦えるのかが良くも悪くも試される大会になると思います。日米で3連勝できたことは自信にもなったと思う。ただ本気のアメリカはもっと強い。こんな簡単にはいかない。それをどれだけ現地で感じられるかが大事だと思っています。結果を求められるのが選手の役割であり、立場。そのプレッシャーの中で結果を出していくことが楽しみですし、私自身も結果を出せるよう、みんなにアドバイスをしていきたい」

 

新4番の打棒に期待

 先述したようにセンターラインはほぼ一新された。それでもピッチャーを中心とした守り勝つソフトボールに変わりはないが、点を取らないことには勝てない。

 

 注目は4番に座る下山絵理(トヨタ)だ。高知県出身の25歳は、昨季のJD.LEAGUEで9本塁打、24打点と打撃2冠に輝き、リーグ4位タイの打率3割3分3厘と、いずれもキャリアハイの成績を残した。

 

 ダイヤモンドシリーズ(DS)ではセミファイナルとファイナルで2試合連続ホームランを放ち、MWPにも輝いた。トヨタの馬場幸子監督は「元々長打力のある選手。今年は苦手なコースに対し、きちんと練習で取り組んできた」と言って目を細めた。

 

「ずっと打点にはこだわってきた」と本人。勝負強さが武器で、横浜スタジアムで行われた日米対抗第3戦では、初回に2ラン、6回にタイムリーを放つなど得点圏できっちり仕事を果たした。

「ロサンゼルスオリンピックでソフトボールは(競技種目として)復帰するので、そこで勝ち切れるチームを全員でつくっていきます。その中に自分も入れるように技術を上げていきたい。“こういう場面で下山は打ってくれる”と思われる選手になりたいです」

 

 投手のキープレーヤーは東京オリンピック金メダルに貢献した左腕・後藤だ。東京オリンピックでは上野とダブルエースを形成したが、今回はエースとして独り立ちに期待がかかる。日米対抗では2試合に先発し、自責点ゼロと好投した。

「技術もそうですが、人として成長したい。日本のエースという自覚と責任を持ってプレーすることが必要だと思っています。まだまだ足りないところばかりですので、もっと勉強して、上野さんから学んで成長したいです」

 

 23歳のサウスポーはイタリアに出発する前、「一番いい色のメダルを持って帰りたい。ロスに向けてアメリカ相手にどれだけ通用するか全力で戦ってきたい」と抱負を口にした。ロスへの試金石となるW杯。後藤と下山という投打の中心がどう機能するか。新生ジャパンの戦いぶりが注目される。

 

(文・写真/杉浦泰介)

 

BS11では7月21日(日)19時より『WBSC女子ソフトボールワールドカップ』決勝戦(もしくは3位決定戦)を独占放送いたします。

※雨天等で試合が中止又は順延となった場合は「JDリーグ2024 第1節 デンソーvsビックカメラ高崎」を放送いたします。

 

 

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