なでしこJ、ブラジルに終了間際で逆転! ~パリ五輪・サッカー女子~
パリ五輪サッカー女子は日本時間29日(大会5日目)、各地でグループリーグ第2節が行なわれ、日本女子代表(なでしこジャパン)はブラジル女子代表に2対1で勝利した。後半11分、なでしこジャパンは失点したものの後半アディショナルタイムにMF谷川萌々子(ローゼンゴード)が誘発したPKをDF熊谷紗希(ローマ・フェミニーレ)が決めた。さらに終了間際には谷川が逆転ゴールを決めた。なでしこジャパンはC組の2位に浮上した。
谷川1G&PK誘発の大活躍(パリ)
なでしこジャパン 2-1 ブラジル女子代表
【得点】
[ブ] ジェニフェル(56分)
[な] 熊谷紗希(90+2分)、谷川萌々子(90+6分)
初戦は4-4-2でスタートしたなでしこジャパンだったが、この日は前半から3-4-2-1で臨んだ。ブラジルにボールこそ持たれるが決定機を多くは作らせなかった。好機はなでしこジャパンの方が多かったくらいだ。
38分、左ウイングバックに入った守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)のクロスに、ボランチの長谷川唯(マンチェスター・Cウィメン)が左足で合わせてが、惜しくもGKに阻まれた。
前半アディショナルタイム、守屋のシュートがDFラファエレの手に当たり日本がPKを獲得した。キッカーのFW田中美南(ユタ・ロイヤルズ)は右隅を狙ったが、GKロレナに完全に読まれ、セーブされてしまった。先制のチャンスを逃し、試合を折り返した。
後半11分だった。カウンターからFWルドミラに右サイドを破られ、グラウンダーのマスをペナルティーエリア中央に構えるFWジェニフェルにラストパスを通された。これを冷静にゴール右隅に流し込こまれ、手痛い失点を喫した。
それでも、なでしこジャパンはチャンスを作り続けた。19分、23分と田中がシュートを放つが、GKに阻まれた。あともう一押しが足りなかったが、35分にピッチに立った19歳、谷川が日本を勢いづかせた。
後半アディショナルタイム1分、左サイドからのクロスがペナルティーエリア内右サイドに流れた。これを谷川が拾い、エリア内で仕掛ける。DFヤスミムを切り返しでかわそうとした。ヤスミムはスライディングを試みたが、地面に着いた右手がボールに触れてしまった。一旦は流されたが、VARの介入により、主審が映像を確認。主審がハンドを取り日本にPKが与えられた。
このPKをキャプテンの熊谷が落ち着いて相手GKの逆を突き、右サイドに流し込んだ。初戦を落としているなでしこにとって、起死回生の同点弾だった。
勝ち点1を拾えるだけでも御の字のように思った。ところが、である。途中出場のMF清家貴子(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンWFC)がスピードを生かし、果敢に仕掛けた。相手DFに奪われたものの、プレスをかけ、ボールがこぼれた。これを中盤で拾った谷川が右足ダイレクトでロングシュートを狙った。美しい弧を描いた山なりのボールは、飛び出したGKの頭上を越え、ゴールに吸い込まれた。
谷川の八面六臂の大活躍で、なでしこジャパンは大きな勝ち点3を手にした。2位に浮上した彼女たちは、日本時間31日深夜、ナイジェリア代表と対戦する。
(文/大木雄貴)
◆C組第2節終了時点の順位表
順位 チーム 勝ち点 勝 分 負 得点 失点 得/失
1位 スペイン 6 2 0 0 3 1 2
2位 日本 3 1 0 1 3 3 0
3位 ブラジル 3 1 0 1 2 2 0
4位 ナイジェリア 0 0 0 2 0 2 -2