J2リーグ2008シーズンが終了し、愛媛FCは、リーグ戦(15チーム中)14位という、不甲斐無い成績に終わった。
 チームとしてのシーズン目標が、6位以内と謳っていただけに、サポーターとしても残念な気持ちである。
(写真:ファン感謝祭オープニングにて、亀井社長(左から2人目)の挨拶)
 シーズンを通して見てみると、選手たちが良く頑張り、上手く戦えているゲームは、数多いと思う。しかし、課題となっている「決定力不足」という部分で、勝てる試合を多く落としているように感じるのだ。現に愛媛FCの総得点(39点)は、15チーム中、最下位の得点数である。

 決して楽なことではないが、チームを熟知し、来季も引き続き指揮を執る愛媛FC・望月一仁監督には、この課題を是非とも克服していただき、リーグ戦の上位進出を果たしてもらいたいものである。

 毎年のことだが、シーズンオフを迎えたということは、一部の選手との寂しいお別れが、待っている。先月末、愛媛FC事務局からは、
 南 祐三 選手
 星野 真悟 選手
 宮原 裕司 選手
 笹垣 亮介 選手
 神丸 洋一 選手
 横山 拓也 選手 
 以上、6選手との契約満了(来季は契約を結ばない選手)が発表となった。更には、地元出身で愛媛FCユースチームでも活躍した、井上秀人選手の現役引退が発表され、前回お伝えしたホーム最終戦の試合終了後には、引退セレモニーが執り行われた。

「愛媛でプレーした4年間は、充実した4年間でした。充実した4年間を過ごせたのも、サポーターの温かい声援を始め、フロントやスタッフ、チームメイトのお蔭だと思っています……。小学3年生から現在までサッカーを続けてきましたが、僕のこのサッカー人生に悔いは、ありません……。
 僕は、今日で引退しますが、愛媛FCは、これからJ1を目指すチームです。そのJ1へ上がる為には、サポーターの声援(支援)なくしては、ありえません。これからも、愛媛FCへ温かい声援をよろしくお願いします!」
 言葉を詰まらせ、涙しながら、サポーターやファンへ挨拶する井上選手が、とても印象的であった。
 
 7名はどの選手も愛媛FCにて公式戦の出場経験を持っており、記憶に残る様々なプレーが思い起こされる。「これで、お別れなのだな・・・。」と思うと物悲しさを感じてしまう。
 もちろん、今まで、愛媛FCのため、愛媛のため、全力で試合や地域活動へ取り組んできてくれたことには、感謝の気持ちでいっぱいである。
 
 12月7日(日)、「2008愛媛FCファン感謝祭」が、松山市内にある野外活動センター(レインボーハイランド内)体育館にて行われ、300人を超える大勢のサポーターやファンが、会場に詰め掛けた。

 最初に愛媛FC・亀井文雄社長から挨拶があり、(リーグ戦の)成績不振に関する反省の言葉が聞かれた。また、四国リーグにて活動している「愛媛しまなみFC」との合併協力やドイツブンデスリーガ2部で活動している「SCフライブルグ」とのフレンドシップ協定締結などの例を挙げられ、来季からは、各年代の選手育成へも、力を入れていくことを来場者へ約束していた。

 その後、選手たちによる「罰ゲームつき・借り物競争」や「チャリティ・オークション大会」、「サイン・撮影会」や「もちつき大会」、「プレゼント抽選会」などなど、楽しい催し物が繰り広げられ、あっと言う間に2時間が過ぎ去っていった。
(写真:罰ゲームにて、柔道家のコスプレを強いられる三上卓哉選手)

 今回のイベントには、今季の所属選手が全員参加しており、契約満了の選手や引退される井上選手とも接する機会があった。そんな、愛媛FCから旅立つ選手たちと会話や握手を交わすたび、熱いものが込み上げ、言葉を失ってしまう自分がいた。2時間を通し、楽しさの中にも「切なさ」を感じるイベントであったように思う。

 今季限りで愛媛FCを離れられる選手の皆さんには、次のチーム、そして次の人生でも、是非頑張ってほしいと願ってやまない。
「今まで、本当にありがとう! そして、これからも、よろしく!」


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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