連日のゴールドラッシュ 女子57kg級・櫻井つぐみ&男子57kg級・樋口黎が金! ~パリ五輪・レスリング~

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 パリ五輪17日目、レスリング競技が日本時間10日に行われた。女子57kg級は世界選手権3連覇中(同階級は2連覇)の櫻井つぐみ(育英大学助手)、男子フリースタイル57kg級は、リオデジャネイロ大会銀の樋口黎(ミキハウス)が金メダルに輝いた。日本勢はこれで4日連続の金メダル獲得となった。

 

 派手さはなかったかもしれない。6分間の集中し続け、コツコツと粘り強く戦うスタイルはパリでも遺憾なく発揮され、彼女に黄金色の勲章をもたらした。

「相手より先に構える自分のスタイル」という櫻井。レフェリーが試合を止めるなどしても、すぐに構えて相手より先に再開を待つ。その間、相手への視線は決して切らさない。

 

 このスタイルは“2人の父”の教えが生きている。レスリングの師であり、実の父親・優史。彼女を開花させた育英大レスリング部の柳川美麿監督だ。

「『先に構えて闘志を剥き出しにしていれば、オレは安心してセコンドで観ていられる。それがつぐみのスイッチだ』と言って送り出す。彼女はそれを実践しているのだと思います」

 今回は2人ともセコンドではなく会場で声援を送った。

 

 前日の3試合もほぼ危なげなかった。ツーオン・ワン(両手で片腕を取りに行く組み手)で相手にリズムを掴ませない。初戦を6‐1で突破すると準々決勝はテクニカルスペシャオリティー(10点差以上のコールド)。準決勝はリオデジャネイロ五輪金メダリストのマルーリス(アメリカ)に10−4で破った。

 

 この日の決勝は昨年の世界選手権ベオグラード大会決勝で金メダルを争ったアナスタシア・ニキータ(モルドバ)。3−2で接戦だった相手にも櫻井はマットで自由を許さない。アンクルホールドからコツコツポイントを稼ぎ、6−0の完封勝ち。マットを降りると会場の“2人の父”と抱き合い、喜びを分かち合った。

 

 高知県香南市出身の22歳。高知県勢としては1932年ロサンゼルス五輪の競泳男子1500m自由形の北村久寿雄(高知市出身)以来の金メダルとなった。

 

(文/杉浦泰介)

 

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