女子62kg級・元木咲良が金、男子74kg級・高谷大地が銀 ~パリ五輪・レスリング~

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 パリ五輪18日目、レスリング競技が日本時間11日に行われた。女子62kg級は元木咲良(育英大学助手)が金、男子フリースタイル74kg級は高谷大地(自衛隊体育学校)が銀メダルに輝いた。日本勢はこれで5日連続、6個目の金メダル。一大会最多の金メダル獲得となった。

 

 大逆転の準決勝から決勝はテクニカルスペリオリティー(10点差以上のコールド勝ち)。「世界一になるためにここにきた」と言う元木が初出場の五輪で輝いた。


 父・康年は2000年シドニー五輪の男子グレコローマンスタイル63kg級日本代表だ。昨年の世界選手権ベオグラード大会で銀メダルを手にし、パリ行きの切符を手にした22歳。得意の片足タックルを武器にパリの舞台でも邁進する。

 

 初戦はフォール勝ち、準々決勝はテクニカルスペリオリティーと順調に勝ち進んでいた元木、準決勝にひと山あった。対戦相手は昨年の世界選手権銅メダルのグレイス・ジェイコブ・バレン(ノルウェー)。元木は同大会準決勝で対戦し、2対1の僅差で勝利を収めていた。パリでは残り1分45秒の時点で2対7とリードを許していた。

 

 ここで元木は起死回生の反り投げで、相手をマットに叩き付けると、そのままフォールに持ち込んだ。逆転勝ち。相手陣営はチャレンジを要求したが、ビデオ判定でも覆らず、元木の決勝進出が決まった。


 前日に「神様は2回も助けてくれない。明日は自分の実力を発揮できるよう臨みたい」と話して迎えた決勝はリーナ・コリアデンコ(ウクライナ)と対戦した。昨年の世界選手権&東京五輪の銅メダリストを相手にローリングでポイントを重ね、試合時間4分57秒で勝負を決めた。


「昨日は自分に負けそうになってしまった。それでも神様が助けてくれた。このチャンスを逃したら戻ってこない。最後までやり切ると決めた」

 涙ながらに語った元木。自身、シニアの大会では初の世界一となった。

 

(文/杉浦泰介)

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