初練習の1月17日は、凍えるような寒さでした。
昨年12月のセレクションで入部した選手とは初顔合わせということもあり、早々と練習を終え、交流を図ることになりました。
ベンチにはハンドボールの大きさほどの子供用サッカーボールが置いてあります。
昨年も冬場はまるでサッカー部だっただけに、この日もサッカーをするのだろう、と思っていました。
監督の息子さんのサッカーボールを手に取った監督は、休憩している選手達に向かって、こう言いました。
「スーパーキックベースやるぞ」
スーパーなキックベース……? と一瞬疑問に感じながらも、ちょうど20人の選手を4チームに分けました。
「セカンドベースってあるよな?」と監督。
スーパーだったりセカンドベースがあったり……先が思いやられる感じです。
1試合目の試合時間が約15分、2試合目も約15分、その後1・2試合目の敗者同士が戦う3試合目が始まりました。
予想を上回る試合時間の長さで寒さに堪えられなくなってきた監督は、
「3試合目はサドンデス!」
と急遽ルールを変更しました。
ところが点が全く入らず、試合はだらだらと続きます。私も椅子の上で凍りました。
1・2試合目の勝者同士が戦う4試合目が終わる頃は、すっかり体も冷え、野球をやったあととは思えない活気の無さでした。
救われたことといえば優勝チームにはひとり1000円の賞金、MVPの選手には監督のポケットマネーから3000円が授与されました。
しかし懐が温かくなったのはたったの5人。
監督、今度からはサッカーにしましょうね……。
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広瀬明佳 福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!
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