クライマックス・シリーズ進出を目指した昨季、あと一歩、３位・中日に及ばなかったカープ。ブラウン改革は今季こそ花開くのか？　新球場で広島の街は盛り上がるのか？
　08年12月15日、都内で『第５回東京カープ会』が開かれた。熱心なカープファン約280人と６人のパネリスト、ゲストが、愛するカープについてトークバトルを展開した。“最強赤ヘル軍団”も、今や万年Ｂクラスチーム。そろそろ復活の時だ！
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二宮：　では、次の質問にいきましょう。
――　WBCのメンバーに永川勝浩が選ばれませんでした。カープにとっては良かったのかもしれませんが、やっぱり永川は選ばれて当然だったかなと思ったのですが……。

二宮：　2008年の成績からしたら選ばれてもおかしくなかった。私としては意外でしたね。川口さん、これについてはどうですか？

川口：　カープにとっては（選ばれなくて）よかったんじゃないですか。今はどのピッチャーも２月１日からブルペンでバンバン投げてるような時代だから、WBCにも十分に対応できたとは思いますけどね。

二宮：　次で最後の質問としましょう。
――　「09年はオマエががんばらなあかんやろ」というような選手を挙げていただきたいのと、その理由を教えてください。

二宮：　では、長嶋さんお願いします。
長嶋：　僕はやっぱり嶋重宣ですかね。以前、ある試合で山本浩二さんに「頼むわ、こいつ打たせてくれ」って言われたことがあったんです。「いやぁ、僕に言われても」ってその時は言ったんですけど（笑）。それで「どうしますか？」って、こっち（中日）サイドに聞いたら「えぇよ、打たせたらえぇよ」って。だから、わざわざレフトに内野手を入れてですね（笑）、とにかくどこかに転がしてくれればヒットになるようにこっちはしたんですよ。嶋は広角だから、ライン際を締めて右中間、左中間を空けるように僕が指示を出したわけです。ライトをライン上に寄せて、レフトもライン上に寄せて、右中間、左中間をメチャクチャ空けたんですよ。そしたらいきなり打ったのが思いっきりライン際。それも、もうめっちゃくちゃいい当たりですよ。でも、そこにわざわざ守らせていたわけですからね（会場、大爆笑）。「うわぁ、どないしよう」と。「これはまずい」と思って、守備を定位置に戻したんです。僕はベンチから「嶋！　セーフティせい！」って叫んだんですよ。いつもよりもサードを下げて「そこそこそこ」って。でも、彼はセーフティをせず、結局その試合で打てなかったんです。もう悔しくてね。
　僕は（カープの）ユニホーム脱いでからずっと見てるんですけど、気合い入ってないんですよね。走るにしても、守備にしても。だからもう一度そういうことを（嶋に）バシッと言えるやつがいたらいいんですけど。彼はいいものを持っているわけですから。このままズルズルいくようじゃちょっとダメだと思うんですよ。彼は生え抜きだしね。もう一回頑張ってくれれば面白くなるかなと。

二宮：　アッハッハ！　今の話は面白かったですね。長嶋さんって、こんなに面白い人だと思わなかったですよ。とにかく、今シーズンは嶋に期待しましょう

（おわり）


長嶋清幸（ながしま・きよゆき）
1961年11月12日、静岡県出身。自動車工高（現・静岡北高）から80年、ドラフト外で広島に入団。勝負強い打撃と安定した外野守備で、カープの黄金時代を支えた。84年には巨人戦で２試合連続サヨナラ弾を放ち、日本シリーズでも３本塁打をマークして日本一に貢献。シリーズMVPに輝いた。91年より中日、93年に千葉ロッテ、94年から阪神と計４球団を渡り歩き、97年限りで引退。その後はコーチとして星野阪神、落合中日のリーグＶに力を尽くした。通算成績は1477試合、1091安打、107本塁打、448打点、打率.271。ゴールデングラブ賞４度。今季から韓国・三星ライオンズの打撃コーチに就任。





川口和久（かわぐち・かずひさ）1959年７月８日、鳥取県出身。鳥取城北高校から社会人野球チーム・デュプロを経て、80年広島にドラフト１位で入団。長年、左のエースとして活躍する。87、89、91年と３度の奪三振王のタイトルを獲得。94年にFA権を得て、読売ジャイアンツに移籍。96年にリーグ優勝を果たした際には胴上げ投手となった。98年シーズン終了後に現役を引退。通算成績は435試合、139勝135敗、防御率3.38。現在、解説者の傍らテレビやラジオにも出演するなど、幅広く活躍している。








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