4月18日の東京ヤクルト対広島戦、好投のマエケンこと前田健太は、ヤクルト宮本慎也に1発を浴びただけで敗戦投手になった。7回を、わずか5安打におさえたにもかかわらず……。

 振り返って思った。マエケンも宮本も同じPL学園出身じゃないかと。ちなみに宮本は1998年度の卒業生、マエケンは2006年度の卒業生である。プロ野球を見渡すと、いるわいるわ。PL学園OBであふれ返っている。
 現役の有名どころでは中日の立浪数義を筆頭に、宮本、坪井智哉(北海道日本ハム)、今岡誠(阪神)、サブロー(千葉ロッテ)、今江敏晃(同)、朝井秀樹(東北楽天)、小窪哲也(広島)、マエケン……。
 メジャーリーグでも福留孝介(カブス)、松井稼頭央(アストロズ)の2人が活躍している。

 これまで同校出身のプロ野球選手は、同校優勝経験者で元巨人・橋本清氏の『PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?』によれば、この数は77人。戦前からの名門、中京大中京に次ぐ。なぜ、PL学園出身者はプロの世界で成功するのか。
 同校OBの桑田真澄はこう語っている。
<「PLで野球をしている選手は目標が高いよね。プロ野球でエースになるとか、4番を打つとか、レギュラーになるといった目標があるから、甲子園の優勝は通過点に過ぎない」。>(『PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?』橋本清著)
 同じく同校OBの清原和博。
<「あのPL学園の一年生の寮生活を経験したら、野球のプレッシャーなんて、どうってことないと思えるようになったね。PLの卒業生はみんな勝負強いって言われた時代があったけど、そういうところでメンタルが鍛えられたっていうのがあるよな」。>(同前)

 PL学園はプロを目指す高校生たちにとっては“最高の予備校”といっても過言ではあるまい。「ベスト8」や「ベスト4」程度なら印象に残らないのは同校くらいのものである。

<この原稿は『週刊大衆』09年5月11日、18日号に掲載されたものです>

◎バックナンバーはこちらから