5月20日(水)、J2第16節となる愛媛FC対ベガルタ仙台の一戦が、ホーム(ニンジニアスタジアム)にて行われた。
前節(第15節)ファジアーノ岡山に快勝して迎えた今節のホームゲーム。チームとして調子を上げてきているだけに、さらなる波に乗るためにも、続けて結果を出したいところだ。
(写真:フィードボールへ向かってダッシュ!) 今日の対戦相手は、現在(第15節終了時点)リーグ戦3位のベガルタ仙台。昨シーズンの対戦成績は、1勝1敗1引き分けというイーブンの戦績。上位チームといえども愛媛にとっては、苦手意識はない相手だと思う。臆することなく立ち向かって欲しい。
上空は、雲に覆われているものの雨の心配はなさそうな今日のニンジニアスタジアム。ピッチコンディションも良好である。
午後7時、ベガルタ仙台のキックオフで試合がスタートした。
前半戦、相手のスピーディーな攻撃に手を焼き、なかなかボールをキープできない愛媛。
自陣にて攻勢を強める仙台に対して、GK山本浩正選手の好セーブや攻撃陣による献身的な守備などで、前半終盤までゴールを割られることなく耐えてきた。だが前半39分、一瞬のスキを衝かれ、敵に先制点を献上してしまったのだ。
前半戦は、スコア0−1で終了。
後半に入り、見違える運動量で、激しくプレスを繰り返し、敵陣内でボールをキープできるようになった愛媛FC。守備陣による積極的なオーバーラップも飛び出し、ワンタッチパスなどダイレクト・プレーも繋がり始める。
(写真:味方の折り返しを信じて、敵ゴール前に詰める) 圧倒的ともいえる攻撃展開で、敵陣へと攻め入る愛媛イレブン。攻撃もスピーディーで、前半とは、まるで別のチームのようだ。
後半11分、FWジョジマール選手が、ハーフウェイライン付近でファウルを受け、愛媛によるフリーキックでのリスタートとなった。DFアライール選手が、セットしたボールを素早く、敵ペナルティエリアへと蹴り込む。
リスタートと同時に敵DFを追い越し、ペナルティエリアへと走り込んだのはMF横谷繁選手だ。そのまま、蹴り込まれたロングフィードに追いつき、ゴール前でバウンドするボールを捉える。そしてダイレクトに右足つま先で、敵GKの頭上を狙ったロビングのシュートを放った!
ボールは狙い通り、両手を広げるGKの頭上をすり抜け、見事ゴールイン! スタジアムに大歓声が湧き起こる。チームメートが横谷選手に駆け寄り祝福。横谷選手は満面の笑顔で、ハイタッチを繰り返す。素早いリスタートで相手を撹乱し、一瞬のスキを衝いた見事な攻撃だった。
この同点弾でますます勢いに乗って攻め立てる愛媛FC。逆転を目指して、仙台ゴールへと襲いかかる。
後半26分、自陣にて敵からボールを奪い、MF赤井秀一選手がセンターサークル付近に陣取るFW内村圭宏選手へとパスを通す。ボールを受けた内村選手が、左サイドに開きながらドリブルで敵陣内へと駆け上がる。
そこから、前線のジョジマール選手へとパスを送る内村選手。ジョジマール選手が、そのボールを足元へ収めようとするが、敵DFのスライディング・タックルでボールがこぼれる。しかし、後方から走り込んできた内村選手が、このルーズボールを拾い直し、左サイドをドリブル突破。トラップを挟みつつ、ペナルティエリアへとアーリークロスを供給する。
そして、ゴール前に走り込んでいたのは、またもや横谷選手だ。このクロスを捉え、胸でトラップ。落ちてきたボールに対し、素早く左足を振り抜き、ダイレクトにシュートを放った!
グラウンダーのシュートは、敵GKの足元をすり抜け、見事にゴールイン! 素晴らしいテクニックによる逆転ゴール! スタジアムは歓喜に包まれる。横谷選手もサポーター席の前に走り込み、誇らしげにガッツポーズを繰り返す。サポーターによる横谷選手を称えるコールが鳴り止まない!
その後も貪欲な攻撃で、時間を費やす愛媛FC。そして、ついにはタイムアップ。最終スコア2−1で愛媛FCの見事な逆転勝利となった。
前半のシュート数は、わずかに3本だった愛媛FC。後半は、生まれ変わったかのように、8本ものシュートを重ねる展開となった。
ハーフタイムでの監督の指示も効いたと思うが、選手同士のコミュニケーションによる修正も大きかったのではないかと思われる。後半開始直前の円陣による長めのミーティングが、それを物語っている。チームの絆が、大きな変化を呼び込み、勝利へと繋がる道を拓いていったのだろう。
チームスローガン「E−spirit 〜EHIMEひとつになって闘う〜」の下、今後もシーズンを通し、その絆を強固なものへと育んでほしいと感じている。
松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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