東京ヤクルトスワローズの伊藤秀範(元香川)が7日、対中日ドラゴンズ18回戦で初の先発マウンドにあがった。伊藤は立ち上がり、ウッズのタイムリーなどで2点を失う。続く2回も中村紀洋に3ランを浴びるなど4失点。結局、この回限りでマウンドを降りた。試合は序盤でリードを広げた中日が6−1で勝利し、伊藤は初黒星を喫した。
▼首位・香川破れ、3位・高知まで2.5差内に(9月7日結果)
プロの洗礼を浴びた地で今度は煮え湯を飲まされた。開幕1軍で迎えた3月31日の中日戦。ナゴヤドームで初登板を果たした伊藤は1回で2点を奪われた。それ以来となる名古屋のマウンドで再びルーキーは打ち込まれた。
初先発は調整が難しいスライド登板だった。先発が予定されていた前夜の広島戦(神宮)が台風のため中止。交通機関が乱れる中、移動即先発という状況はルーキー右腕には酷だったかもしれない。「緊張した」と本人が振り返ったように、初回からボールが高めに浮き、勢いもなかった。
先頭の井端弘和こそ、シュートで空振三振を奪うが、2番・荒木雅博に高めのスライダーをきっちりセンター前に運ばれる。続く中村紀の打席では暴投でランナーに2塁を与えた後、これまた高めのボールで三遊間を抜かれた。
1死1、3塁で迎えるバッターは本塁打キングの4番・ウッズ。バッテリーは徹底して外角にボールを集めた。フルカウントからの6球目、137キロのストレートは外角低めを突いたが、ウッズは引っ張らずライト前にはじき返す。技ありの先制タイムリーだった。2死後、李炳圭にも抜けたボールをライト前に打ち返されて、2−0。伊藤は初回に4安打を連ねられて2点をとられた。
立ち直りを期待した2回も、内容は変わらなかった。先頭の谷繁元信に安打を許すと、1番に戻って井端にシュート、荒木にフォークを連打された。いずれも構えたキャッチャーミットよりボールが高い。荒木のヒットで1人走者が還り、スコアは3−0となる。
ここで打席に入ったのは中村紀だ。“育成選手対決”となったオープン戦ではシュートを使って、伊藤が三振に仕留めた。しかし、互いに支配下登録され、開幕直後に対戦した際はライト前にうまく打たれた。この日の第一打席も中村紀は甘い球を逃さずヒットにしている。
長打を浴びれば、試合が壊れる場面、伊藤は低めにボールを集め、勝負はフルカウントに持ち込まれた。勝負球はカットボール。これが、伊藤の出来を象徴するようなボールだった。真ん中から低めに沈むのではなく、高めから真ん中に沈む絶好球。プロ通算335本塁打のスラッガーが逃すはずもなく、大飛球がそのままレフトスタンドへ飛び込んだ。試合を決める一振りだった。
「当日移動になった影響はないでしょう。他の投手は抑えてるんだから」
古田敦也兼任監督は右腕をかばうことをしなかった。確かに伊藤以降の2番手投手は中日打線を0点に抑えた。舞台は違うとはいえ、スライド登板や移動即先発もアイランドリーグでは経験済だろう。
どんな形であれ、結果を残すのがプロだ。ヤクルトはクライマックスシリーズ進出の望みがほぼ絶たれた。一方で試合の消化が遅く、これから過密日程が待っている。伊藤にもまた機会が巡ってくるに違いない。
チャンスは与えられるものではなく掴みとるもの。四国から育成選手へ、そして支配下選手へとチャンスをモノにしてきた男なら、きっとできるはずだ。
◇9月7日(金)
香川、終盤にミス続き痛い敗戦(愛媛3勝6敗1分、サーパススタジアム、622人)
愛媛マンダリンパイレーツ 5 = 000000014香川オリーブガイナーズ 2 = 000001001
勝利投手 梶本(12勝6敗1S)
敗戦投手 グラタン(1勝2敗)
宮本、先制打&ダメ押し弾で6連勝(高知6勝1敗3分、オロナミンC球場、441人)
高知ファイティングドッグス 4 = 000000103徳島インディゴソックス 1 = 000000001
勝利投手 西川(9勝9敗2S)
敗戦投手 益田(2勝11敗)
本塁打 (高)宮本4号2ラン
<順位表> 勝 負 分 勝率 差
1 香川 17 10 4 .630 2 愛媛 18 13 1 .581 1.03 高知 15 13 4 .536 1.54 徳島 6 20 5 .231 8.0<9月8日(土)の予定> ( )内は予告先発
マドンナスタジアム
愛媛(浦川)−高知(岸) 13時
四国明治乳業フレッシュシリーズ・
明治乳業製品のギフト券を先着50名様に、
チアスティックを全員にプレゼント。
オロナミンC球場
徳島(渡邊)−香川(塚本) 18時
JALシリーズ・3回終了時、
うどんですかいを選手がスタンドへ投げ込み。
・5回終了後、
JAL徳島−羽田ペア往復航空券などが当たる抽選会(先着500名に抽選券を配布)。
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