東北楽天ゴールデンイーグルスの次期監督に阪神タイガースの星野仙一オーナー付シニアディレクターの就任が決定的となった。

 2008年の北京五輪で星野は日本代表を率い「金メダルしかいらない」と啖呵を切ったが銅メダルも獲れなかった。
 国内においても中日、阪神で13年間指揮を執り、3度リーグ優勝を果たしたが、日本一は一度もない。「このままでは終われない」との思いが強いのだろう。
 楽天で悲願の日本一を果たし、再び日本代表監督に就任してWBCで世界一になる――。これが星野の青写真のようだ。

 果たして、そううまくいくのか。
 昨季、野村克也監督がチームを2位に導き、クライマックスシリーズに出場したとはいえ、今の状態はガタガタだ。今年は17の借金をつくって4年ぶりに最下位に転落した。
 楽天の最大のアキレス腱――それは抑え投手の不在である。今季、チームは福盛和男にその役を託したが全く期待にこたえられず、開幕直後に戦線を離脱した(9月に引退発表)。
 その後は取っかえ引っかえ。抑えがこれではチームは安定しない。星野はここから手を付けるのではないか。

 そこでクローザー候補を調べてみると、ひとり適任者がいるではないか。オリオールズの上原浩治である。
 今季、上原はスターターを希望して故障で出遅れたが、夏場以降はクローザーとして13セーブをあげチームに貢献した。本人も年齢を考え、今後はクローザーに専念する意向を示している。
 周知のように星野ジャパンの不動のクローザーが上原だった。星野は上原に絶大な信頼を寄せ、それは今も変わらないと見られている。
 上原とオリオールズの契約は今期限り。クローザーの重要性を知り尽くす闘将が上原の獲得に乗り出さないはずがないと私は見ている。

<この原稿は2010年11月1日号『週刊大衆』に掲載されたものです>

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