10月17日(日)、J2第30節となる愛媛FC対FC岐阜の一戦が、ホーム(ニンジニアスタジアム)にて行われた。
 今節勝てば、クラブ初のホームゲーム4連勝をマークすることになる愛媛FC。新たな歴史を刻むため、是非とも勝ち点3をもぎ取りたい。
(写真:両チーム、激しい接触プレー)
 朝から晴天に恵まれた今日のニンジニアスタジアム。日中は、秋らしさが感じられない程の強い日差しが照り付けている。しかし、夏場の異常気象の影響からだろうか、ピッチのコンディションは思わしくないらしい。それはコンディション保持のため、試合前に行われた選手たちによるピッチ内練習が、10分短縮されたことからも推測できる。
 
 時刻は午後4時を廻り、夕日がピッチ上に照明塔の影を長く落とし込む中、FC岐阜のキックオフで試合がスタートした。
 序盤、両サイドで細かくパスを繋ぎながら敵陣内へと攻め込んで行く愛媛FC。前半30分、敵陣内の左サイドでDF三上卓哉選手が愛媛の最終ラインからのボールを足元に収める。同サイドの相手DFライン裏へと抜け出す構えをみせるMF杉浦恭平選手へ向けてスルーパスを供給した。

 ボールに追いついた杉浦選手が、そのままドリブルで左サイドを駆け上がり、ゴール前に向けてグラウンダーのクロスボールを折り返す。ゴール前に走り込んできたFW大木勉選手が、このボールを捉え、ダイレクトに左足を振り抜きシュートを放つ! しかし、敵DFのブロックで惜しくもゴールはならなかった。
 
 前半39分、敵陣内の右サイドへオーバーラップを仕掛けたDF関根永悟選手が相手選手に倒され、ファウルとの判定。敵陣内で愛媛FCがフリーキックのチャンスを得た。キッカーはMF赤井秀一選手。短い助走から右足を振り抜き、ペナルティエリアに向けてアーリークロスを供給。このボールを敵ゴール前に陣取るDF小原章吾選手が捉え、ダイレクトにヘディングシュートを放った! 敵GKの反応が遅れ、一瞬ゴールかと思われたが、惜しくもゴールポストに弾かれ、得点には至らなかった。思わずスタンドからは、溜め息がこぼれる。
 
 両チーム、スコアレスのまま、後半戦に突入。後半立ち上がり、早いタイミングでのクロスボールやミドルシュートなどを繰り出し、バイタルエリアへと果敢にボールを進める愛媛FC。後半26分、愛媛陣内の左サイドでボールをキープした小原選手が、敵陣の右サイドへロングフィードを供給。右サイドをオーバーラップで駆け上がる関根選手が、このボールに追いつき、敵ゴール前に向けて低い弾道のセンタリングを折り返す。ゴール前に走り込んできたFW石井謙伍選手がダイレクトに合わせにいくが、上手くボールを捉えられず、ゴールマウスへと押し込むことはできなかった。
(写真:敵のバックパスをチェイシング)
 
 後半40分には、愛媛のDFラインからのボールを敵陣内の左サイドへとオーバーラップを仕掛ける三上選手がキープ。ボールを縦へと進めつつ、同サイドから敵ゴール前に向けてアーリークロスを供給する。ゴール前に陣取る石井選手が、このボールを捉え、ヘディングシュートを放った! しかし、敵GKが正面でガッチリとキャッチ。これまた得点には至らなかった。
 
 その後も一進一退の攻防が続くが、時間は過ぎ去り、ついにはタイムアップ。結局、最終スコア0−0の引き分けに終わった。
 愛媛FCとしては、決定的な得点チャンスが幾度もあっただけに、引き分けという結果は本当に残念でならない。守備に関しては、守護神のGK川北裕介選手を中心に素晴らしいまとまりが感じられるし、サイドバックがオーバーラップを仕掛けた際のDFラインのフォローもできている。その好守で掴んだリズムを逃すことなく、攻撃への展開力として活かしてもらいたいものだ。
 
 今季、目標順位到達へのチャンスは、残り僅か。皆の夢が託されている、ひとつひとつの試合を大切に取り組み、未来への期待が抱ける結果を残して欲しい。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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