サンゴリアス、小野晃征新HCで「WIN THE ONE」 〜リーグワン〜

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 17日、JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(リーグワン)の東京サントリーサンゴリアスが府中市にあるグラウンドでの練習を公開。練習後、小野晃征新HCらが取材に応じた。

 

 小野HCは現役時代、主にSOとしてプレーし、2007年にジャパンのスコッド入りすると、通算34キャップを記録するなどW杯には2度出場した。15年W杯イングランド大会の南アフリカ代表では背番号10を付け、“ブライトンの奇跡”と呼ばれた大金星に貢献した。またサニックスブルースを経てサンゴリアスに12-13シーズンより加入し、3度のリーグ優勝(12-13、16-17、17-18)を経験。2度のベストフィフティーン(12-13、16-17※サニックスでは11-12シーズンにCTBで1度受賞)、1度の得点王(16-17)に輝いた。引退後はニュージーランドで家族と暮らし、代理人を務め、昨季よりACとしてサンゴリアスに復帰した。

 

 前監督の田中澄憲GMは、小野HCにこう期待を寄せる。
「サントリーには“アグレッシブ・アタッキング・ラグビー”という独自のスタイルがある。それを引き継ぎながら進化させることができるコーチ。晃征は日本語も英語も話せる。コミュニケーション力が高い。選手に近い存在で、対話しながらチームをつくっていくことを期待したい。また10番としてチャンピオンシップを戦ってきた経験値もあり、勝つために必要なことをよく知っている」

 

 小野HC自身も自らの強みに「バイリンガル」であることを挙げた。1歳半からニュージーランドで暮らし、英語が堪能なことは、外国人選手とコミュニケーションを図る上で利点と言えよう。

「外国人スタッフも増えてきている中、苦しい時にセイムページ(同じ絵)を描けるか。(日本人でも外国人でも)ダイレクトに話せることは、他のコーチとの違う点。そこを生かしていきたい」

 

 リーグワン最年少37歳の新人指揮官は、サンゴリアスでどんなラグビーを目指すのか――。

「サンゴリアスのカルチャーは“ファイティングスピリッツ”“アグレッシブ・アタッキング・ラグビー”。誰が見てもアグレッシブなラグビーをするチームをつくっていきたいです」と意気込み、こう続ける。

「ボールインプレーの時にどれだけ仲間のためにタックルし、すぐに立ち上がってブレイクダウン、次のプレーに参加する。そのマインドで常にいること大事です。マインドがオンならば、体もついてくる。“アグレッシブ・アタッキング・マインド”と“アグレッシブ・アタッキング・ボディ”の2つを合わせ、“アグレッシブ・アタッキング・ラグビー”を見せたいと思っています」

 

 契約期間は「複数年」(田中GM)だが、サンゴリアスはリーグワンの前身トップリーグでは、埼玉パナソニックワイルドナイツと東芝ブレイブルーパス東京に並ぶ5度の優勝を果たした強豪だ。リーグワンになってからは3季全てでプレーオフに進んだものの、タイトル獲得には至っていない。小野HCとて初年度から結果が求められるシーズンに違いはない。

「目標は優勝と、どのチームに聞いても一緒のことを言うと思う。そこがゴールとして、今何ができるかという目の前のひとつひとつに勝っていく。それが自分自身が成長するためにも大事で、自分が成長することによって周りも成長できる。コーチ、スタッフ、選手には、そういうマインドでいて欲しい」

 

 今季のスローガンは自身が定めた「WIN THE ONE」を掲げる。
「目の前のひとつに勝つという意味です。サンゴリアスでは選手の時もそうでしたが、求められている結果はひとつしかない。そこに向けて、ひとつひとつ目の前のことに勝っていく、という思いを込めて付けました」

 栄光への道のりを、ひとつひとつ駆け上がっていくつもりだ。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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