9季目の開幕迫る 新HC対決となる群馬vs.広島から幕開け ~B.LEAGUE~

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 24日、男子プロバスケットボールリーグ『B.LEAGUE』が「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON TIPOFFカンファレンス」を都内で開催した。B1所属の全24チームの代表選手が集い、今季の意気込みを語った。

 

 先出し開幕カードは10月2日、東地区の群馬クレインサンダースvs.西地区の広島ドラゴンフライズ。昨季広島をB1初制覇に導いたカイル・ミリングHCが群馬に移ったこともあり、因縁深い一戦となった。「いいスタートを切れるように全力で戦いたい」と山崎稜。後任のHCには昨季限りで現役を引退した朝山正悟。昨季チャンピオンシップ(CS)のMVPに輝いた山崎は、今季の注目ポイントに<朝山新体制>を挙げた。

「昨シーズンとは違うバスケットスタイルになっている。まだ具体的なことは言えないんですけど、ぜひそこを見ていただきたいです。新しいHCの元、そのスタイルをどこまで出せるかがカギになってくると思います」


 昨季はワイルドカードからの“下剋上”を果たした。「昨季は優勝しましたが、まだ成し遂げていないことがたくさんある。まずは西地区1位を目指していく。昨シーズンの優勝は、みんなもう捨てているというか、自分たちはチャレンジャーだという気持ちです。戦う姿勢を見せ、ファンの人たちを引き込むようなプレーを体現していこうと思っています」(山崎)。チームの今季スローガンは「Again DRAFLA!」。再び頂点を駆け上がるつもりだ。

 

 対する群馬は昨年のW杯を制したドイツ代表のヨハネス・ティーマン、川崎ブレイブサンダースから藤井祐眞らを獲得した。ティーマンはフォワードからセンターまでこなせる2m超のビッグマン。藤井は攻守にアグレッシブなガードである。B1昇格4季目。大型補強で初のCS進出を狙う。

 

 ミリングHCとは広島時代にもキャプテンとHCという間柄だった辻直人。指揮官を「陽気なおじさん」と評して報道陣を笑わせつつ「また一緒にバスケットボールができるのは本当にうれしいです。プレー面で言えば、自分の強みをわかってくれていて、それを出せるようなスタイルになっています。本当に開幕が待ち遠しいです」と話した。
「広島では彼とCS進出というクラブの歴史をつくれたので、群馬でも新たな歴史をつくれたらいいと思っています」

 

 群馬としては昨季開業したオープンハウスアリーナ太田で王者を迎え撃つかたちだ。「素晴らしいアリーナ。ぜひ一度は来てもらいたい」と辻。開幕戦について、辻は「初戦なので、お互いが気負う部分もあると思います」と言い、こう展開を予想する。
「うまくいかない時間帯のほうが、もしかしたら長いかもしれない。カイルHCが来て、新しいバスケットになっている。今シーズンはそれ(新しいバスケット)をみんなでやろうと努力しています。まだまだ完成度は低いですが、コミュニケーションを取ってカバーできる部分もある。我慢比べの試合になると思っています」

 

 昨季、東アジアスーパーリーグ(EASL)と全日本総合選手権大会(天皇杯)の2冠を達成した千葉ジェッツふなばしは、NBAプレーヤーの渡邉雄太を獲得。走って守れるビッグマンの加入で、王座奪還を目指す。今季から1万人以上収容のLaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ東京ベイ)がオープン。公式戦初戦は10月5日の宇都宮ブレックス戦。金近廉は「1万人を超える観客の皆様の前でプレーできるのは選手にとっていい環境。いい結果で応えられるよう頑張りたい」と抱負を述べた。


 今季は越谷アルファーズ(東地区)、滋賀レイクス(西地区)がB2から昇格。富山グラウジーズと信州ブレイブウォリアーズのB2降格によって、昨季東地区2位のアルバルク東京と、西地区優勝の名古屋ダイヤモンドドルフィンズが中地区へ移った。これにより中地区には三遠ネオフェニックス、サンロッカーズ渋谷などCS出場経験クラブが集まり、激戦の様相を呈している。

 

 B1のCSは来年5月8日にスタート。ファイナルは5月24日からの最大3日間、神奈川・横浜アリーナで行われる。シーズンテーマは『WE ARE UNSTOPPABLE!』と発表された。島田慎二チェアマンは「B.LEAGUEは歩みを止めずに、常に進化を遂げていくというメッセージを込めさせていただきました」と説明。「全般的にレベルアップしている。おそらく過去一のクオリティーの高いシーズンをお見せできると思います。ビジネス面においても大きく飛躍できるシーズンにしたい」と意気込んだ。


(文・写真/杉浦泰介)

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