スピアーズ、新キャプテンと新GMで挑むミッション ~リーグワン~
9季目を迎えるフラン・ルディケHCの長期政権となるが、キャプテンは立川理道からファウルア・マキシにバトンタッチされた。ルディケHCはキャプテン交代の理由を「立川さんは自分がクボタに加わった時から一緒にやっている。レジェンドと言えるような人柄。もちろんリーダーシップの面を見た時に立川キャプテンでもいいのですが、次のリーダーを育てる必要がある」と説明した。
「昨シーズンもチーフスとのクロスボーダーマッチでマキシにキャプテンを任せた。彼のキャプテンシー、スキルに関しては満足している。マキシは自分の姿勢を見せることで、他の人がついていく。規律が守れるし、一貫性もある。彼の振る舞いは素晴らしい。行動で示すタイプ。他の選手との関係性もいい。チーム全体をリードすることは初めてだが、彼の判断やチャレンジしていくことで我々の文化をドライブしていくことができる」
マキシが天理大からチームに加入する際、採用担当だったのが前川GMだ。
「リーダーの1人にはなっていく人間だと思っていましたが、まさかキャプテンやるとは……。プレーで見せるタイプの人間です。日本語も上手ですし、年々発言する際の言葉選びが巧くなっている気がします。サイズはメチャクチャ大きいわけではなく、とんでもなく足が速いわけでもなく、圧倒的なボールキャリーをするわけでもない。彼の場合は何から何まで一生懸命やる子でした。居残りトレーニングもするし、後輩への面倒見もいい。まずは“いい子なんやろうな”というところが(彼を採った)一番の理由です」
同世代の同ポジション(バックロー)には東海大のテビタ・タタフ(現フランス「TOP14」ユニオン・ボルドー・ベグル)というボールキャリーに長けた有望選手がいたが、前川GMは「クボタに合いそうな選手だと思った」とキャラクターを重視してマキシに声を掛けた。
チームメイトからの信頼も厚い。ジャパンでも一緒にプレーした為房慶次朗が「ルアさん(マキシ)は多くを語らず、背中で見せるタイプ。僕たちもそのプレーを見習って、泥臭いプレーでやっていいきたい」と語れば、根塚洸雅は「ルアさんは試合で一番身体を張って、プレーで見せてくれる選手。そういうところで引っ張ってくれることは、皆よく分かっています。ただチームにはトークが大事。ルアさんはプレーで引っ張るタイプで口下手な部分もあるので、その時には僕がサポートしていきたいと思っています」とサポートを誓った。リーダーグループには立川、ピーター・ラピース・ラブスカフニ、バーナード・フォーリーがおり、新キャプテンをサポートしていく体制は盤石だ。
マキシ本人はこの日、家族サービスのため会見を欠席した。代わりにチームを通じてコメントを寄せた。
<言葉だけでなく自分のプレーでチームを引っ張り、みんなと共に成長してスピアーズの新たな歴史を作りたいと思います>
新時代から黄金時代へ。スピアーズの挑戦は既にスタートしている。