第326回 「営繕」~愛媛FCレディース 2024シーズン最終戦績~

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 10月に入り(今季のリーグ戦は)3試合を残すばかりとなった愛媛FCレディース。

 

 10月6日(日)には、2024プレナスなでしこリーグ1部の第20節がホーム(愛媛県総合運動公園球技場)にて行われた。

 

 対戦相手はバニーズ群馬FCホワイトスター。2021年まで愛媛に在籍し、FWとして活躍していた大矢歩選手(元日本代表)が所属している。

 

 愛媛の戦い方を熟知している大矢選手がキャプテンを務めているチームなだけに(リーグ戦)下位チームとは言え侮れない相手だ。

 

 この日は、マッチスポンサーや協賛スポンサーの働きかけもあり、700人を超える沢山のお客様にご来場頂いたホームゲーム。それだけに何としても勝利に繋げたいと思い、応援のリードや太鼓にも力がこもる。

 

 試合は愛媛のキックオフでスタート。立ち上がりから相手陣内へと積極的に攻め込んだ。

 

 前半7分、FW田子夏海選手のチャンスメイクからコーナーキックを得る。キッカーはMF桜井由衣香選手。左コーナーから敵ペナルティーエリアニアサイドに向けて低い弾道のクロスを供給。

 

 このボールを捉えたのはFW横山亜依選手。素早く走り込み、右足で上手く合わせ相手ゴールへと流し込んだ! 大歓声が沸き起こる応援スタンド。

 

 チームメイトと抱き合って喜びを分かち合う横山選手!

「スウィーギン スウィンギン愛媛 フォーエヴァー!~」

 サポーターたちは歓喜の大合唱だ!

 

 先制ゴールを決め勢いに乗る愛媛は、更に攻勢を強めるが、なかなか追加点を奪うことができない。愛媛は後半に入っても試合を優位に進めるものの、チャンスをいかすことができず、もどかしい展開が続く。

 

 逆に試合終盤、相手の攻めで自陣に押し込まれ、ピンチに陥るなど、緊張感に包まれる時間帯もあった。それでも集中力を維持し、運動量を落とすことなくビルドアップを続ける愛媛に、ようやく歓喜の瞬間が訪れる。

 

 後半42分、MF久保田晴香選手が自陣深い位置からのロングフィードをヘディングで前線へと繋ぐ。相手DFラインの裏へと抜け出した田子選手が、このボールに追いつき、右サイドからドリブルでペナルティーエリアまで持ち込む。相手GKの位置を確認した次の瞬間、左足を鋭く振り抜くとボールはGKの手を弾きながらゴールマウスに吸い込まれた。再び歓喜に包まれる応援スタンド! 味方ベンチに駆け寄り、控えメンバーとのハイタッチで喜びを表現する田子選手!

 

 高校生ストライカーによる美しいゴールで欲しかった2点目を加えた愛媛。その後も追加点を狙い、MF加藤美咲選手を投入。すると後半アディショナルタイム。その加藤選手が左サイドをドリブルで駆け上がり、相手ゴール前にクロスボールを供給する。このボールを捉えたのはMF安齋結花選手。相手DFの背後からゴール前へと飛び込みヘディングシュートを放った! ボールは相手GKの頭上を擦り抜け見事ゴール。愛媛が勝負を決める3点目をゲットし、大興奮の応援スタンド! 「スウィーギン スウィンギン愛媛 フォーエヴァー!~」

 

 安齋選手のゴールを称えるサポーターたちのチャントが鳴り止まない! 試合終了間際の連続得点による興奮が冷めやらぬまま、時間は過ぎ去りタイムアップ。

 

 結局、最終スコア「3-0」で愛媛が快勝を収めた。ホームゲームとしては、なんと約5カ月振りの勝利。この時を待ち侘びたファンやサポーターも多く、勝利のラインダンスもお祭り騒ぎの様相であった。

 

 第20節を良い形で終えた愛媛。『このままの勢いで』という気持ちで臨んだリーグ最終盤戦ではあったが、残念ながら第21節と第22節(最終節)は連敗。有終の美を飾るには至らなかった。

 

 愛媛の2024シーズンの戦績は「7勝10敗5引き分け(勝ち点26)」。リーグ戦9位に終わった。昨シーズンと同じ9位ではあるが、総得点数は(+5点と)上がっているし、総失点数も(-8点と)下がっており、チームの進化が感じられる。今後、接戦をものにできる粘り強さを身につけていけば、上位進出の可能性も見えてくるのではないかと期待している。

 

 新監督に望月隆司さんを迎え、チームの立て直しを図っている愛媛FCレディース。一時の悪い状況からは脱却し、チーム内の雰囲気は良くなってきているように映る。その明るさと一体感を武器に皇后杯や来季のリーグ戦に向けて果敢にチャレンジしてもらいたい。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。

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