NHK杯女子シングルは16年ぶりに日本人が表彰台独占 ~フィギュアスケートGPシリーズ第4戦~

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 フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯の女子シングル・フリースケーティング(フリー)が9日、国立代々木競技場第一体育館で行なわれた。前日のショートプログラムで首位に立った坂本花織がフリーでシーズンベストの152.95点を記録し、SPとの合計を231.88点(シーズンベスト)とし、優勝を果たした。また、準優勝は合計212.54点を記録した千葉百音。3位には合計195.07点で青木祐奈が入った。NHK杯で日本人が表彰台を独占したのは16年ぶり3度目(2006年、08年)となる。

 

 青木のプログラムは「Popsical」。5つのジャンプで回転不足などの判定を受けたが、転倒などの大きなミスはなく、持ち味の表現力で会場を青木色に染め上げた。演技が終わると、8893人の観客が一斉に立ち上がったため、大きな足音が場内に響いた。観客はスタンディングオベーションで青木にパフォーマンスに応えた。

 

 千葉は「Ariana Concerto」を堂々と演じた。単独とコンビネーションジャンプの頭の3フリップで1/4回転不足を取られたが、青木同様に大きなミスはなかった。減点対象も3つと少なく、19歳にして完成度の高さをうかがわせた。

 

 最終滑走の坂本は圧巻の「Chicago」でジャッジとオーディエンスを魅了した。休みどころのない演技構成で、難易度は極めて高い。しかしながら目立ったミスはなく、演技終盤の3フリップで回転不足を取られただけにとどめるあたりはさすが世界3連覇女王だ。フィニッシュポーズで後ろによろけそうにはなったが、堪えてみせた。

 

 曲が終わると、氷上に手をついて、なかなか起き上がれなかった。坂本は中野園子コーチに肩を借りて“キスクラ”へと向かった。

 

 演技後、坂本は自身のパフォーマンスを振り返った。

「息があがらないために、前半は抑え気味に、ゆっくりにしようとか、常に考えていました。いままでは守りに入ってしまっていたが、今日は前半からぶっ飛ばしていこうと、攻めの姿勢でいけたのが、良かった」

 

 最後によろけた場面についてはこう述べた。

「いつもは足を引き寄せるときに、スッと(氷に対して水平に)エッジに戻るところが、かかとでガガガガっと(ブレーキをかけるように)なってしまった。スピンまでは絶対に気を抜かないでおこう! と思ってそこまでは集中していました。最後のインスライドのときに、それに(かかとが氷にひっかかるように)なって、“えっ! ちょっと待って、最後にコケるの⁉ と思ったが、何とか耐えれて良かったです」

 

 坂本、千葉、青木の3人が、日の丸を肩にかけ場内をまわった姿が印象深いNHK杯だった。

 

(文/大木雄貴)

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