第328回 「光彩」~プリンスリーグ2024四国での愛媛FC U-18チームの活躍~

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 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグへの復帰を目指し、プリンスリーグ四国で戦う愛媛FC U-18。昨年、5月の同コラムにて愛媛FC U-18の(プリンスリーグ2024四国での)開幕3連勝を、お伝えしたが、以降も好調をキープし、開幕7連勝をマークした。

 

 6月に入り気候の変化が激しい中、スケジュール変更やリーグ戦と並行して行なわれるカップ戦などもあり、コンディション調整が難しかったのだろうか。リーグ戦の中盤では引き分けが続いた。それでも無敗のまま耐え繋ぎ、リーグ戦終盤では、持ち前の攻撃力を発揮し、大量得点での勝利が目立った。

(第13節)帝京第五高校と対戦し、3-0の快勝

 第15節では、四国学院大学香川西高校を相手にスコア「9-0」で完勝。

 

 第16節、県立徳島北高校との戦いでは小倉里仁選手のハットトリックも飛び出し、最終スコア「12-0」で圧巻の勝利。

 

 第17節では、徳島ヴォルティスユースと対戦。2年生ストライカー青木壱清選手の活躍などで、スコア「6-2」で快勝を収めた。

 

 最終節(第18節)は大量得点とはならなかったものの、FC今治U-18を相手に「2-0」で勝利。2024シーズンのプリンスリーグ最終戦を白星で締め括った。

(最終節)FC今治U-18と対戦。ゴール前での攻防

 愛媛FC U-18チームの最終戦績は「14勝4引き分け0敗(勝ち点46)」。見事、無敗のままプリンスリーグ2024四国で優勝を成し遂げたのである。

 

 最終戦の試合後、優勝トロフィーを誇らしげに掲げる早瀬侑希選手や大崎翔選手など、3年生たちの笑顔が、とても印象的だった。

 

 リーグ戦終盤を振り返ると、愛媛FC U-18チームの攻撃面での迫力と得点力には目を見張るものがあった。その攻撃力を維持できた要因のひとつとして挙げられるのは、青木壱清選手や森実昊選手、田中碧選手や浦添朝仁選手ら、2年生の成長と活躍である。

 

 特に青木選手は、2024シーズン(リーグ戦・全18試合)において15ゴールを挙げ、プリンスリーグでの得点ランキングで、堂々の2位を獲得するなど、愛媛のエース・ストライカーに成長した。もちろん、得点を御膳立てした河添就仁選手や田頭星梧選手ら、3年生の活躍も見逃してはならない。

 

 その他、攻撃面に目が行きがちになる中、守備面もシーズンを通して大きな崩れはなく安定していた。それは数字にも表れており、総失点数が今季は「14」と昨シーズン(2023年)より、5つも少なくなっている。GKの谷琉成選手を中心にDF陣の頑張りも評価したい。

 

 四国王者の愛媛FC U-18は、12月に行われた高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2024プレーオフ(プレミアリーグ参入チーム決定戦)に臨んだ。

 

 このプレーオフにて愛媛はDブロックに振り分けられた。Dブロック4チームにてトーナメントを行い、優勝したチーム(1チームだけ)が2025シーズンの高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグへの参入が許されるのである。

プレミアリーグ参入戦会場に設営されたトーナメント表

 トーナメント1回戦は2024年12月6日(金)に行われ、愛媛FC U-18は横浜F・マリノスユースと対戦した。

 

 一進一退の攻防が続く中、前半はスコア「0-0」で終了。後半立ち上がりから攻勢を仕掛ける愛媛。そして、日野魁柊選手のゴールで先制点を奪うことに成功。しかし後半13分、同点に追い着かれると、後半25分にも失点。その後、反撃を試みるも追い着くことはできず試合終了。最終スコア「1-2」で愛媛の敗戦となり、22019年以来のプレミアリーグ復帰とはならなかった。

 

 試合直後、泣き崩れる選手もおり、励ます言葉は見つからなかったが、3年間このチームを支え、この試合を最後にチームを去っていく選手たちへは感謝の気持ちを伝えたいと思い、「3年生、ありがとう!」と言葉を贈らせていただいた。

 

 この2024シーズン、最後は悔しい気持ちを残して終わることになってしまったが、先輩たちと一緒に、同じ舞台で同じ想いを共有した多くの後輩たちが、今度こそはプレミアリーグへの道を開いてくれるに違いない。そう信じて新シーズンも愛媛FC U-18チームの応援を続けていきたい。

 

<松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>

1967年5月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。

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