二宮: 現在、マラソンブームで市民ランナーが増えていますが、猫さんにとってマラソンの魅力とは?
: 走っている時って、いろいろと考えられるんですよ。僕はそれが好きですね。


二宮: 新しいギャグを考えたり?
: はい、そういうこともあります。まぁ、大したギャグは出てこないんですけど(笑)。

二宮: 猫さんくらいのレベルになると、マラソン関係のイベントに引っ張りだこでしょう?
: おかげさまで。3、4年前までは学園祭が一番多かったのですが、今ではマラソン関係のイベントが増えましたね。本当に感謝しています。

 フルマラソンでも疲れはなし!

二宮: 芸能人でもマラソンが好きな人はたくさんいますが、猫さんほどのレベルはそうはいません。東京マラソンを見ていても、ゴールした後に倒れ込む実業団の選手もいるのに、猫さんは余裕ですもんね。
: 確かに42.195キロを走っても、ほとんど疲れないんです。でも一度、ゴールで倒れ込むくらい自分を追い込んでみたいなと思うこともありますね。

二宮: フルマラソンで疲れないなんて、それは心肺機能が高い証拠ですよ。
: 東京マラソンの時は、どんどんスピードが速くなっていったんです。後半の35キロ過ぎからは1キロ3分半くらいと、実業団の選手並みで走ったんですよ。

二宮: やっぱり陸上部に入っていれば、人生変わっていたかもしれませんね。
: 高校の時も勧誘されていたんですけど、「卓球部だから」って断っていたんです。でも、一度だけ記録会に出たことがありましたね。高校3年の時「最後だから」って言われて……。

二宮: 結果はどうだったんですか?
: 千葉県って市立船橋高校とかあって、陸上のレベルが高いんですよ。しかも、僕なんか全く練習していないわけですからね。それでも結構、いい勝負をしたんです。ところが、「よし、ゴールだ!」と思って走るのをやめたら、周りはまだ走り続けているんです。「あれ?」と思っていたら、「あともう1周ありますよ」って。僕の後輩が1周間違えていたんですよ。あわてて走りましたけど、途中で転倒した選手にまで負けてしまったんです。それでもう二度とやるまいと思いましたね。

 カンボジア人になります!

二宮: その時からでも始めていれば……。オリンピックも夢ではなかったかもしれませんね。
: 実は今、ロンドンオリンピックを狙っているんです。

二宮: えぇ!? 本当ですか?
: はい。日本代表は無理なので、カンボジアの国籍をとってオリンピックに出ようと思っているんです。

二宮: カンボジアでは猫さんが一番速いんですか?
: いえ、僕よりも速い選手が一人だけいるんです。2時間25分くらいのタイムなので、その選手にはちょっとかなわない。だからもし、マラソンの枠が一つだけということであれば、トラックの1万メートルか5000メートルで出るつもりです。

二宮: カンボジアでも走ったことはあるんですか?
: 昨年の暮れにアンコールワット国際ハーフマラソンに出場して、銅メダルをとりました。優勝したのが、カンボジアで一番速い子です。

 猫のスタミナは強靭!?

二宮: カンボジアでは猫さんを芸人だとは誰も思っていないでしょうね。
: 最初はカンボジアで人気者になろうというような企画で行ったんです。向こうの劇場でネタをやったりしていたんですけど、そのつながりで大会にも出るようになったのがきっかけです。

二宮: 例えばどんな大会に出たんですか?
: スポンサーの方があまりスポーツに詳しくなくて、一番最初に出たのは、なぜかトライアスロンの大会だったんです。実は僕、カナヅチなんです。これはマズイと思ったのですが、ラッキーでしたね。はじめ、会場のアンコールワット近くには海がないので湖で泳ぐ予定だったのですが、湖があまりにも汚いから途中でNGということになって、ホテルのプールになったんです。300メートルくらいでしたので、まぁ、なんとかなりました。といっても、ぽっちゃり系の女の子と最下位争いでしたけどね。スタッフなんか、僕の泳ぎを見て、おぼれているかと思って、本気で助けにいこうかと思っていたようです(笑)。

二宮: さすがにその大会ではボロボロの成績だったのでは?
: それが、結構追い上げたんですよ。もう泣きながらどうにかこうにか、300メートル泳いだ後、40キロの自転車と10キロのランで猛追して、最後は6位に入りました。

二宮: 自転車も得意なんですか?
: いえ、それまでは特にしたことはなかったです。あえて言うなら学生の時に自転車通学だったことくらいですよ。しかも、大会前に日本で少し自転車を練習していたんですけど、カンボジアには持っていくことはできないということで、現地で調達した自転車だったんです。そしたらサドルの高さが合ってなくて……。仕方がないので、40キロのうち8割くらいは立ちこぎで行きましたね。

二宮: それはすごい! マラソンだけでなく、自転車競技でも十分に通用したかもしれませんよ。
: 確かに、すごい脚力だとは言われましたね。とにかく体力にだけは自信があります。

 マラソン選手はお酒好き

二宮: だから猫さんはお酒にも強いんでしょうね。気づけば、この「そば雲海 黒麹」も、だいぶお酒が進んでいます(笑)。だいたいマラソン選手にはお酒に強い人が多いですからね。
: 往年のマラソン選手ではどんな方が強いんですか?

二宮: 昔、中山竹通さんや瀬古利彦さんと飲んだことがあります。彼らもお酒は強かったですね。それでいて、翌日の早朝から、平気な顔をして走っているんですからね。これには驚きました。
: 確かにマラソン選手は強いですよね。昨年12月に国際青島太平洋マラソンに参加したのですが、その時に前夜祭でオリンピックに3度も出場した君原健二さんとご一緒したんです。君原さん、焼酎が大好きなんですね。もう最後は手酌で本当に美味しそうに飲んでいましたよ。それで翌日、フルマラソンを軽々と走っちゃうんですから……。

二宮: 君原さんは今、70歳ですよね。それはすごいなぁ。「そば雲海 黒麹」を差し上げたら、記録も伸びるかもしれない(笑)。焼酎は後に残らないところがランナーに好かれる要因でしょうか。
: 僕の中ではそういう豪快な人が本当に強いというイメージがありますね。昭和のプロレスラーじゃないですけど、毎晩お酒を飲むような……。そういう方が僕にとってはかっこいい感じがするんです。

 トラブルも楽しみのひとつに

二宮: これまで多くの大会に出場していると思いますが、印象に残っている大会はありますか?
: そうですねぇ、やっぱり海外の大会は日本とはちょっと違いますよね。僕は今までカンボジア以外にモンゴルとカナダの大会に出たことがあるのですが、それぞれ特徴がありましたよ。

二宮: 日本の大会との違いは?
: 招待選手として参加させてもらったのですが、なんだか仕事という感じではなく、海外というだけで気持ちがウキウキするんです。どちらかというと、ストイックになるのは緊張して嫌なので、そういう方が僕には向いていますね。実際、カナダの大会では自己ベストを出したんです。

二宮: それはどんなコースだったのでしょう?
: ナイアガラ国際マラソンという大会だったのですが、アメリカからスタートしてカナダでゴールするという、世界で唯一、国境を超えるコースなんです。カナダに入ると、ずっと川沿いを走るので、ほとんど景色が変わらないのですが、すごく気持ちがよかったです。

二宮: 国境を超える大会があるとは、初めて知りました。一方、モンゴルでのマラソンは?
: 大会自体が第1回目ということもあって、スタートする前からトラブル続きでしたね。まず、スタート時間が2時間も遅くなったんですよ。現地に着いてから、突然言われたんです。

二宮: それはひどい。選手はみんなスタート時間に合わせて食事とか、調整するわけですからね。
: そうなんです。しかも、それだけじゃないんです。本番2日前になったら、今度はコースが変わるという知らせがきました……。でも、そういうトラブルも楽しむくらいの気持ちでないと海外ではダメかもしれません。

 陽気なお酒は笑顔の宝庫

二宮: ところで、猫さんは本当に猫が好きなんですか?
: 大好きです。自宅に400体くらいの猫の置物がありますし、今日の靴下もパンツも猫なんです。

二宮: それは本当の猫好きだ。
: 以前は犬しか飼ったことがなかったんです。ずっと猫アレルギーだと思っていまして……。ところがある番組で検査をしたところ、ただの花粉症だったんです(笑)。名は体を表すと言いますが、今ではすっかり猫が大好きになりました。

二宮: 決めポーズの「ニャー」は、自分でお考えになったんですか?
: 昔よく芸人仲間に「全然、鳴かない猫だ」って、からかわれていたんです。トーク番組に出ても、あまりにもしゃべらないもんだから「なんか一つ、ギャグがあった方がいいんじゃないの?」と。それで「猫だから鳴き声でいいんじゃない?」と言われて、そのまんまの「ニャー」が決めポーズになったんです。まぁ、今ではそればっかりになっちゃいましたけど(笑)。

二宮: 芸人の方たちとはよく飲まれるんでしょうか?
: そうですね。強い人が多いですからね。

二宮: WAHAHA本舗の柴田理恵さんとは、かつて高円寺で飲んだことがあります。
: 柴田さんは強いですよねぇ。なじみのお店に行くと、一般のお客さんから「今日は柴田さんは来ないの?」って言われるんですよ(笑)。

二宮: アハハハ。芸人さんたちの飲み会は、盛り上がりそうですよね。
: いやぁ、それはそれはすごいですよ(笑)。

二宮: お酒にまつわる何か忘れられないエピソードはありますか?
: 僕に以前50歳の付き人がいたのですが、一緒に飲んでいる時に、あわてていたのか、むせてしまったことがあるんです。その時に入れ歯まで出しちゃった。もう、みんなで笑い転げちゃいましたよ(笑)。

二宮: アハハハ(笑)。芸人さんを笑わせるなんて、その付き人さん、お笑いのセンスがあるのでは?
: もしかしたらそうかもしれませんねぇ(笑)。とにかく、僕は陽気なお酒がほとんどですね。この「そば雲海 黒麹」は飲みやすくておいしかった! やっぱりお酒は楽しまなくちゃ!

(おわり)

<猫ひろし(ねこ・ひろし)プロフィール>
1977年8月8日、千葉県生まれ。目白大学4年時にハチミツ二郎(東京ダイナマイト)主宰のお笑い集団に入る。2001年3月にデビュー。03年4月、WAHAHA本舗に入る。初マラソンは08年の東京マラソン。3時間48分で完走し、それ以降、4年連続でエントリーしている。今年の東京マラソンでは2時間37分43秒の自己ベストをマークした。2007年に結婚し、今年2月に長女が誕生した。現在はカンボジア代表としてロンドン五輪出場を目指している。147センチ、45キロ。


★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

本格焼酎「そば雲海」に黒麹仕込みの「そば雲海 黒麹」が登場。伝統の黒麹と九州山地の清冽な水で丹精込めて造り上げた、爽やかさの中に、すっきりと落ち着いた香り。そしてまろやかでコクのある味わいが特徴です。
提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
焼肉 ドロップキック
東京都新宿区荒木町3番地 第三ハルシオン1階
TEL:03-5368-8474
営業時間:
平日 18:00〜6:00
土曜 18:00〜3:00
日曜 18:00〜24:00(不定休)

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 猫ひろしさんの直筆サイン色紙を本格焼酎「そば雲海 黒麹」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「猫ひろしさんのサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選は発表をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回、猫ひろしさんと楽しんだお酒の名前は?


 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:斎藤寿子)
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