松田祥位がV! ~サイクルチャレンジ神宮外苑~

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「サイクルチャレンジ神宮外苑 JBCF 第1回 東京クリテリウム」が16日、行なわれた。メインレースのJプロツアー特別戦ではチームブリヂストンサイクリングの松田祥位が優勝した。2位は岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)、3位は窪木一茂(愛三工業レーシング)だった。

上位を固めるブリヂストンの選手たちⓒサイクルチャレンジ神宮外苑

 記念すべき第1回となった東京クリテリウムを盛り上げるべく、さまざまなイベントが開催された。いちょう並木では、BMXフラットランドの世界大会FISE MONTPELLIER(開催地:フランス)覇者の荘司ゆうがパフォーマンスを披露した。自転車の後輪や前輪にジャンプして足を掛けるアクロバットな技で観客を魅了。世界一を獲った際に成功させた高難度の「ダブルタップ」を神宮外苑でも成功させた。

 

 トリックを披露した後は、観覧していた子どもとグータッチをしたり、観客にBMXフラットランドの魅力を直接語りかけた。

 

 メインレースの前には、“自転車芸人”の異名をとる安田大サーカスの団長安田、ロードレース元日本チャンピオンの佐野淳哉らがゲストライダーとしてパレードランに参加した。著名人、一般参加者総勢約100名が、神宮外苑のコースを走った。団長は笑顔で、観客とハイタッチしながらさわやかに神宮外苑をまわった。

ⓒサイクルチャレンジ神宮外苑

「JBCF第1回東京クリテリウム」と銘打たれたメインレースには、109名のプロ選手が出走した。クリテリウムとは、市街地に短い周回コースを作り、何周もするレースである。神宮外苑の絵画館前がスタート地点とフィニッシュ地点となる。1周約1キロの「D」の字型のコースを40周する。プロ選手が、どこでアタックをかけるかといった駆け引きと、ハイスピードで市街地を駆け抜ける姿は迫力満点だ。

 

 序盤は當原隼人(愛三工業レーシングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)らがレースを引っ張った。21周目からは、強豪チームがしたたかさを見せつけた。チームブリヂストンサイクリングの6名が上位に番手をあげ、前を固めた。

 

 ブリヂストンの河野翔輝が21周目に、36周目には同じチームの兒島直樹がアタックを仕掛け、集団を間延びさせた。そして、ファイナルラップになると松田が一気に抜け出した。そのまま逃げ切りに成功し、記念すべき第1回大会の王者に輝いた。

 

 松田のスプリントが非凡なのは大前提だが、それをアシストしたチームメイトとの連係、チーム戦術は見事だった。

逃げ切りに成功し、ガッツポーズをする松田ⓒサイクルチャレンジ神宮外苑

 松田は「このレース展開は宮﨑監督の当初の作戦通り」と語り、こう続けた。

「ラスト1周、集団の牽制が緩んだところを15番手くらいかな? アタックをかけました。ほぼほぼ1周全力で最後いかせてもらって勝つことができました。まとまりはそんなになかったかもしれないですけど(苦笑)。みんなが動いてアタックを潰してくれて、すごく有利な展開に進んだんじゃないかなと思います」

 

 3位でフィニッシュした窪木は、東京開催の意義を述べた。

「どんどん東京でのクリテリウムを増やしてほしいなと思います。(レース前に観覧者とコミュニケーションをはかり)“自転車を始めてみたい!”という人もいました。普段、遠方で来られない人も、東京だと来やすいと思うので、東京で開催できたことはすごく良かったなと思います。選手たちで声掛けなど、できることがあれば東京開催のために力を合わせて、みんなで動けたらいいなと思います」

 

 この第1歩が契機となり、東京開催の数を重ねられるか。全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)の今後の動きに注目したい。

 

(文/大木雄貴、写真提供/サイクルチャレンジ神宮外苑)

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