クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、セットプレーで流れ掴み10T大勝 〜リーグワン〜
22日、「NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25」のディビジョン1の第9節が東京・スピアーズえどりくフィールドで行われ、クボタスピアーズ船橋・東京ベイが静岡ブルーレヴズを62-14で下した。ホストスタジアム“えどりく”での連勝記録を21に伸ばした。
レギュラーシーズンの折り返し地点。3位スピアーズと4位ブルーレヴズという互い強力なFWパック、セットプレーを武器とするチームがぶつかり合った。
スピアーズはHOマルコム・マークス、PRオペティ・ヘルを第3節以来に先発で起用した。フラン・ルディケHCは「今日の試合は入りが大事だと思っていた。セットピースのところでコントロールしたかった」と説明。序盤からセットプレーで優位に立ち、相手を勢い付かせない狙いだろう。
先制したのはブルーレヴズ。6分、ラインアウトでの反則でペナルティーを獲得すると、CTBヴィリアミ・タヒトゥアがクイックスタートでトライエリア(インゴール)右中間に飛び込んだ。SOサム・グリーンがコンバージョンキックを決め、7点をリードした。
その3分後、CTBリカス・プレトリアスが個人技でトライ。WTBハラトア・ヴァイレアのコンバージョンキックで追いついた。またTMOでプレトリアスがトライを挙げた一連のプレーの際、ブルーレヴズNo.8マルジーン・イラウアのハイタックルのジャッジ。イエローカードが与えられると、19分にはFLウェディ・トゥポウにもデリバレイトノックフォワード(デリバレイトノックオン)によりイエローカードがレフリーから提示された。
ピッチ上で15対13となったスピアーズがさらに圧力をかける。20分、ラインアウトモールからHOマルコム・マークスがトライエリア左に雪崩れ込んだ。ヴァイレアのコンバージョンキックが決まり、14−7。32分にはボールをワイドに展開し、ヴァイレアがトライエリア右隅にグラウンディングした。19−7で前半を終了した。
後半に入ってもスピアーズが優位に立ち、得点を重ねた。4分、敵陣左ラインアウトからのサインプレーで、パスを繋いだ。ポイントをずらしたモールでNo.8ファウルア・マキシがトライ。8分にスクラムで圧力をかけ、ペナルティーを得ると、再び敵陣深くラインアウトからのサインプレー。ヘルが隙を突き、トライエリア右に飛び込んだ。
12分にヘルがイエローカードで1人少なくなっても、17分にFBショーン・スティーブンソンがトライ。ブルーレヴズに1トライ1ゴールを返された後、 途中出場のFL梁本旺義がリーグワン初トライで加点する。その後もトライを積み上げ、ペナルティートライを含む計10トライで62-14の大勝。ボーナスポイント1も加え、勝ち点5を獲得した。
昨季1分け1敗だった相手に勝利。カギとなったのはやはりセットプレーだ。PRで先発した紙森陽太は「セットプレーの手応えはすごく良かった。昨季はそこでやられて負けた。今季は修正することができた」と振り返る。ルディケHCは「モール、スクラムは彼らの強みでありDNA。そこに勝てたことが大きかった」と選手たちを称えた。
キャプテンのマキシは「1日1日積み上げてきたものが結果に繋がった。試合に出ないノンメンバーのおかげで、23人が勝ちを取ることができた。いつも通りオレンジアーミーの応援が自分たちの力になった」とチーム一丸となっての勝利を喜んだ。スポッターズ(ノンメンバーの今季の呼称)がブルーレヴズを想定し、敵役として練習を重ねてきたことが生きたという。
層の厚さを証明したのがSOバーナード・フォーリーに代わって急遽出場となった押川敦治、リーグワンデビューとなった梁本らの活躍だ。試合数が例年より2試合増えた中、これまで以上にタフなシーズンの戦いとなる。開幕直前に加入したSHブリン・ホール、シーズン中に加わったスティーブンソンが機能し始めたという点で、フロントの的確な補強も光る。
22-23シーズン以来の王座奪還を目指すスピアーズ。平均得点こそ昨季の34.63から32.78と落ちているものの、平均失点は27.94から21.33と改善されている。22-23シーズンは21.25失点。守備の安定が好調を支えている。次節は勝ち点1差の2位・東芝ブレイブルーパス東京と対戦する。
(文・写真/杉浦泰介)