9月18日(日)、愛媛FCユースは、高円宮杯U-18プレミアリーグ(WEST)の第12節となる対立正大淞南高校戦へと臨んだ。
 試合会場は、北条スポーツセンター陸上競技場(松山市)。朝方、低く垂れ込めていた雨雲も試合前には遠のき、残暑を思わせる強い日差しが戻ってきた。
 今日の対戦相手の立正大淞南高校(島根県)は、年初の第89回全国高校サッカー選手権大会においてベスト4入りした強豪校。ピッチコンディションも整い、好ゲームが期待できそうである。
 時刻は午後1時を廻り、愛媛FCユースのキックオフで試合がスタートした。
 序盤、敵陣内でボールをキープしつつ、じっくりと攻撃を組み立てる愛媛。しかし、一瞬の隙をつかれ、パスカットされるや、ロングボールでカウンターを狙われるなど、あわや失点かと思うような場面が連続する。

 思わぬピンチを招き、慌て始めた若き愛媛の選手たち。そんなチームを落ち着かせたのは、やはりエースのMF近藤貫太選手(U-18日本代表候補)のプレー。中盤で巧みなドリブルを繰り出してキープしつつ、サイドへとボールを繋ぎ、攻撃の起点をつくり出す中心選手の頑張りにより、徐々にリズムを取り戻し始めた愛媛イレブンに活気が蘇る。
 
 前半25分、右サイドのMF井上和紀選手から敵陣中央に陣取る近藤選手へとボールが渡る。左サイドから敵ペナルティエリアへと駆け上がるMF村上耕一選手に、スルーパスを通す近藤選手。このボールに追いついた村上選手がダイレクトにゴール前へと折り返す。

 そこに走り込んできたのは、FW林祐希選手。敵GKの位置を確認しつつ、ボールの動きに合わせるように軽く左足を振り抜きシュートを放った! グラウンダーのシュートは、敵ゴールマウス右隅に突き刺さり、見事ゴールイン! チームメイトが、林選手を取り囲み祝福! サポーターも林選手を称えるコールを連呼する!
 
 苦しい展開ながらも、欲しかった先制ゴールを奪取し、俄然、勢いづく愛媛FCユース。 その後、近藤選手がドリブルでペナルティエリアまでボールを持ち込み、シュートを放つなど、得点には至らなかったが惜しいシーンが連続して見られた。前半は、スコア1−0のまま終了。
 
 厳しい暑さの中、後半は体力勝負となったが、愛媛イレブンの気力は充実していた。
 後半14分、村上選手からのパスを、敵陣内の右サイドへと開いていたFW高島拓巳選手が受け、ゴール前へとセンタリングを供給。このボールを、敵ゴール前に陣取る林選手が、胸トラップで足元へ落ち着かせつつ、右足を素早く振り抜きシュートを放った! ボールは、敵DFに当たりながらも、GKの頭上をすり抜け見事ゴールイン! ツートップの働きから貴重な追加点が生まれた!
 
 後半34分には、敵陣中央のDF増谷幸祐選手からヒールパスを受けた林選手が、右サイドからドリブルでペナルティエリアまでボールを持ち込み、グラウンダーのクロスをゴール正面へと折り返す。そこに走り込んできたのは近藤選手。ボールを捉え、トラップを挟みながら敵GKの動きを確認し、右足を鋭く振り抜いてシュートを放った! ボールは敵GKの伸ばした手の先をすり抜け、ゴールマウス左隅に突き刺さった!
 
 チームメイトとハイタッチを繰り返し、喜びを表現する近藤選手!
「カンタ!(ドドドン) カンタ!(ドドドン)」
 近藤選手を称えるコールが競技場に、こだまする! 相手の守備を巧みなパスワークで見事に崩した素晴らしいゴールだった。
 
 3点差をつけ、終盤まで優位にゲームを進める愛媛イレブン。そして時間は過ぎ去り、ついにはタイムアップ。 結局、最終スコア3−0で愛媛FCユースが快勝を収めた。
 
 全国の同年代の強豪チームが集う、このハイレベルな「高円宮杯U-18プレミアリーグ」で、若き愛媛の選手たちは確実に成長を遂げている。願わくば来季も、このリーグ戦へと参戦していただきたい。第12節を終えて勝ち点15の6位と、残留に向けて今後も厳しい闘いが続くと思うが、将来の夢やチームの仲間たちを信じて臆せず突き進んでほしい。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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