競泳の北京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権に向け、アテネ五輪男子平泳ぎ100m、200mの金メダリスト北島康介(日本コカ・コーラ)とミズノスイムチームが9日、東京・西が丘の国立スポーツ科学センター(JISS)で練習を公開した。3度目のオリンピック出場を目指す北島は「昨年から体をつくってきた。新しい水着とともに、新しい北島康介を見せたい」と自信たっぷりに語った。
(写真:「本番を期待してください」。取材に応じる北島)
 練習前にはミズノの新作競泳水着「アクセルスーツ WATER GENE」の発表会が行われ、北島と女子背泳ぎの寺川綾(ミズノ)が出席。水着の感想を聞かれ北島は「軽くて非常に履き心地がいい。素材が軽く体になじんで、動きやすい」とコメント。寺川は「飛び込んだ瞬間に違うと感じた。水と一体になれる」と驚きを隠せない様子だった。

 北島らは公開練習で、約1時間20分汗を流し、泳ぎの感覚を確かめた。北島は先月31日、高地合宿先のアメリカ・アリゾナ州から約1ヶ月ぶりに帰国したばかり。現在の調子について北島は「こんな短期間で変わりませんよ。まぁ、悪くはなってないんで」と好調ぶりをうかがわせた。最後に、1週間後に迫った日本選手権に向けて「今もっている力の全てを出し切って、自信がつくような泳ぎをしたい」と意気込みをみせた。

 また、2大会連続出場がかかる寺川は「試合にかける気持ちがオリンピックに向けてどんどん高まっている。あと1週間、今までやってきたことを思い出し、すべてを出し切りたい」と語った。女子背泳ぎはアテネ五輪銅メダリストの中村礼子(東京SC)を筆頭にライバルの多い激戦区。北京行きの切符を手に入れるには厳しい戦いが予想されるが、「勝たないとオリンピックには行けない。記録を出すのはもちろん、上位に入ることを目指す」と強い決意をにじませた。
(写真:素材の段階から制作に携わってきた新作水着を着用した寺川)

 日本選手権は15日から20日まで東京辰巳国際水泳場で行われる。北島はアテネを制した100mと200m、寺川も100mと200mに出場する。五輪代表に選ばれるには日本水連が設けた標準記録を突破して2位以内に入ることが条件となる。