カンザスシティ・ロイヤルズの野茂英雄が11日、本拠地でのニューヨーク・ヤンキース戦で3年ぶりにメジャーのマウンドに立った。1−4とリードを許した7回、2番手として登板した野茂はヤンキース・松井秀喜と対戦。カウント2−2からレフトフライに打ち取り、満塁のピンチを切り抜けた。
 続く8回もランナーを出しながら0点に抑えた野茂だったが、3イニングス目となった9回、ヤンキース打線につかまってしまう。2死を簡単にとったところで、4番アレックス・ロドリゲスに外のボールをレフトスタンドへ。さらに続くホルヘ・ポサダもフルカウントから投じた球が甘くなり、今度はライトスタンドへ。連続被弾を浴びて2点を失った。

 しかし、ここで迎えた松井に対しては空振り三振に切って取る。この日、2度目の日本人対決を制し、野茂は3回を投げて65球、4安打2失点の内容でひさびさのメジャー登板を終了した。試合は野茂から奪った2点でダメを押したヤンキースが6−1で勝利している。

 野茂はトレードマークといえるトルネードこそ封印したが、伝家の宝刀は衰えていなかった。松井を2打席打ち取ったボールはいずれもフォークボール。ここまで10打数5安打と相性が良くなかった相手に、メジャーリーガーの先輩として、存在感を示した。フォークのすっぽ抜けをA・ロッドにスタンドに運ばれるなど、精度の面では課題を残したものの、ストレート、フォークにスライダーを交えたピッチングはメジャーでの1000日のブランクを感じさせなかった。今季、不惑を迎える右腕の次の登板を楽しみにしたい。