2年目・尾﨑完太への期待 悔しさは秋に晴らす

facebook icon twitter icon

 セガサミー硬式野球部は2年ぶりの本戦出場を目指し、都市対抗野球大会東京二次予選に臨みましたが、第2代表決定トーナメント1回戦でHondaに、第4代表決定トーナメント2回戦ではNTT東日本に敗れ、出場権獲得できませんでした。こういう結果になってしまったのは、我々の責任。2年連続という現実を受け止め、日本選手権に向けて頑張っていきます。

 

 まずはこの予選を振り返りましょう。初戦のHonda戦。相手先発の東野龍二投手は経験豊富で安定感があるサウスポーです。コントロールが非常に良く、ボールが先行しても、いつでもストライクが取れる。セガサミー打線は最後まで東野投手をとらえ切れず、8回2安打無得点に封じられました。

 

 守っては先発・尾﨑完太が初回からランナーを背負う展開でした。1、2回こそゼロで抑えたものの、3、4回に1点ずつ失いリードを許しました。4回途中からプレイングコーチとして4年ぶりに現役に復帰した陶久亮太をマウンドへ。この回は陶久が抑えましたが、後続のピッチャーが8回に3点、9回に5点を奪われ、0-10で敗れました。

 

 Honda戦から4日後に迎えた第3代表決定トーナメント2回戦の明治安田戦は理想的な展開でした。初回に加藤巧也と宮浦柚基のタイムリーで3点を先制。幸先良いスタートを切りましたが、先発の草海光貴が追いつかれてしまいました。やはり点を取った後、ゼロで抑えることが勝ちパターンに繋がる。そこに持っていく確率を上げていかないとことには、苦しいですね。

 2回にも加藤のタイムリーが飛び出し、勝ち越したものの、3回はノーアウト三塁のチャンスにあと一本が出ませんでした。5回に追いつかれ、7回に4点奪われて4-8で敗戦。投打がかみ合わず連敗となってしまいました。

 

 負ければ予選敗退が決まる第4代表決定トーナメント1回戦は、クラブチームのCLUB REBASEと対戦しました。この試合、チームのラッキーボーイとなったのが2年目の左腕・下薗咲也です。岩本大地を故障で欠いていた中、尾﨑と草海を軸にしようと思っていましたが、連敗してしまった。クラブチームといえども、REBASEは元東芝の選手がいるなど油断できない相手でした。下薗が3イニングを無失点とゲームをつくり、後続も武富陸、草海、田中法彦、長谷川優也、伊波友和の完封リレー。4-0でこの予選で初勝利を挙げました。

 

復帰の陶久コーチの活躍

 ここで勢いに乗りたかったところでしたが、NTT東日本戦は2点を先制しながら尾﨑が逆転を許してしまいました。点を取られるにしても、1点でしのいでくれればいいのですが、リードを生かしきれない。2-5と3点を追う苦しい展開で試合は進みました。ここで5回途中からマウンドに上がった下薗が好投し、流れを引き寄せます。すると7回裏、植田匡弥が同点3ランを放ちました。

 

 下薗が8回表をゼロで抑え、その裏の攻撃で畳み掛けたかったのですが、ここはわずか5球で3者凡退に倒れます。結局、9回表は下薗と伊波で2点を奪われ、5-7で競り負けました。

 

 この予選4試合振り返ると、1年目の加藤、宮浦はプレッシャーがかかる場面で起用しましたが、まずまずの結果を出してくれました。その一方で悔しい思いもしたはずです。投手陣では下薗がテンポ良くストライク率高く、ピッチャーの手本となる投球を披露した。ここは次に繋がるプラス材料でしたね。

 

 復帰した陶久はリリーフで安定感のあるピッチングを見せてくれました。バックからの信頼も厚く、彼が投げると打線のリズムも良くなる。若いピッチャーには彼の投球を見習ってほしい。5月くらいに復帰が決まり、最初は不安そうな表情も見せていましたが、マウンドに上がると一変。今回の予選でも飄々と投げ、チームを助けてくれました。

 

 ただ、どのピッチャーも絶対的な信頼を勝ち取るところまではいっていません。まだ使ってみなきゃわからないっていう部分もあるので、ピッチャーの状態を見ながら、ピッチングコーチと話し、やり繰りしていくしかないんです。

 

 エースとして期待を寄せる尾﨑は、まだ社会人野球の公式戦で勝ち星を挙げられていません。早く勝ち運をつけ、チームから絶対的に信頼されるピッチャーになってほしい。本人もいろいろ考えて成長はしているんですが、初回はもっと真っすぐで押してもいいと思うんです。そこから強弱をつけていき、自分の持ち球を投げていく。変化球のストライク率などを改善していかない限り、プロには行けないでしょう。ただ彼はいいモノを持っているので、可能性はゼロじゃない。今後の伸びしろに期待しています。

 

 NTT東日本戦後、応援団に最後の挨拶をした際、我々を応援してくれた人たちが涙を流している姿を見ると、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。選手たちはそれをどう感じたか。あれだけ一生懸命応援してくれた方たちを東京ドームに連れていけなかった。深くお詫びを申し上げると共に、日本選手権に向けて、一層気を引き締めていきたいと思います。

 

<このコーナーは毎月1日更新です>

 

西田真二(にしだ・しんじ)プロフィール>
1960年8月3日、和歌山県出身。小学3年で野球を始める。PL学園高、法政大学を経て、83年にドラフト1位で広島カープに入団。高校時代は78年夏にエース&4番として甲子園優勝に貢献した。大学時代は5度のベストナインに輝くなど、3度のリーグ優勝に導いた。プロ入り後は左投げ左打ちの外野手として、91年のセ・リーグ優勝に貢献するなどカープ一筋13年で現役を終えた。現役引退後は野球解説者を経て、カープ、四国アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の愛媛、香川などで後進を育成。20年よりセガサミー野球部の監督を務める。

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP