11月13日(日)、日本女子サッカーリーグが主催する「2011チャレンジリーグ入替戦」の第1戦となる愛媛FCレディース対ノルディーア北海道の試合が、北条スポーツセンター陸上競技場(松山市)にて行われた。 
 チーム発足1年目にして、四国リーグで全勝優勝を果たした愛媛FCレディース。チャレンジリーグ昇格に向けて、11月3日(木)より静岡県・時之栖スポーツセンター裾野E2グラウンドで行われた「2011チャレンジリーグ入替戦予選大会」に出場した。
 この予選大会で優勝すれば自動昇格となるチャンスだったのだが、惜しくも結果は2位。それでも2位という成績により、入替戦出場の権利は得ることができた。再度、昇格をかけて、今季のチャレンジリーグEASTで6位の成績だったノルディーア北海道と、ホーム&アウェイによる入替戦を行うこととなったのだ。
 
 晴天に恵まれた今日の北条スポーツセンター。会場には400名近く愛媛FCサポーターが駆け付けており、試合前から熱気に包まれていた。そんなサポーターたちは北条にホームスタジアムの雰囲気を創り出すべく、たくさんの横断幕や旗などを掲出し、愛媛FCレディースを全力で後押しする準備を整えた。
 
 時刻は午前11時を廻り、北海道のキックオフで試合がスタートした。
 試合の立ち上がり、緊張からかなかなかボールをキープできない愛媛。トラップミスなどもあり、バイタルエリア手前で敵にボールを奪われるような場面が続く。
 ペースを握りきれないまま向かえた前半13分、敵によるセットプレーからの攻撃で、先制点を奪われてしまった。
 
 その後、チャンスはつくるものの得点には至らないという歯痒い状況が続く。前半は、0−1のまま終了。
 それでも後半からは落ち着きを取り戻し、細かなパスによる連携プレーも飛び出すなど、徐々にゲームを支配していく。相手の運動量が落ち始めた後半26分、右サイドからオーバラップを仕掛けたDF串山早希選手が、ボールを敵ペナルティエリアまで持ち込み、右足を豪快に振り抜きシュートを放った!

 矢のようなシュートは敵GKの横をすり抜け、見事ゴールマウスに突き刺さった! 会場を包み込むような大歓声が湧き起こる! 反撃の狼煙を上げる素晴らしい同点ゴールだ!
 
 勢い付く愛媛は、その後も相手ゴールを攻め立てる。後半39分、コーナーキックのチャンスを得た。キッカーはDF小川明莉選手。短い助走からニアサイドに向けて、低い弾道のセンタリングを放つ。これを捉えたキャプテンのMF中田麻衣子選手が、巧みなボレーでゴール前へとロビングボールを供給。ゴール前に陣取るDF小野山奈々選手が大きくジャンプし、ヘディングシュートを放った!

 ボールは弧を描きながら、敵GKの頭上を越え、見事ゴールイン! チームメイトと抱き合い、喜びを爆発させる小野山選手! 彼女のゴールを称え、「スウィーンギン! スウィンギン・エヒメ! フォーエバー!」のチャントを繰り返す歓喜のサポーターたち!
 
 この逆転ゴールが決勝点となり、最終スコア2−1で愛媛FCレディースが、「2011チャレンジリーグ入替戦」の第1戦に勝利。昇格に王手を掛けた。
 
 そして、続く運命の第2戦は11月19日(土)に北海道・東雁来公園サッカー場にて行われ、1−1の引き分けとなった。この結果、愛媛FCレディースの1勝1分けで、2012シーズンのチャレンジリーグ昇格が見事、決定した。
 
 結成1年目にして、大いなる前進を成し遂げた愛媛FCレディースだが、目標の「なでしこリーグ」参入までは、まだまだ長い道のりである。来季から始まる全国区のリーグ戦で、力と技を身につけ、一歩づつ着実に夢へと向かって進んで欲しいと思う。
 
 なでしこJAPANの活躍により俄然、注目を集めている女子サッカー。その世界へと船出した愛媛FCレディース。県内のスポーツ少女たちに夢と希望を与え、愛媛の名前と愛媛のサッカーを全国に向けて強力に発信してくれることを願っている。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
◎バックナンバーはこちらから