アン・セヨン、絶対女王の風格漂わす女子シングルス制覇 ~ダイハツ・ジャパンオープン~
20日、国際バトミントン連盟(BWF)ワールドツアー「ダイハツ・ジャパンオープン2025」各種目決勝が東京体育館で行われた。女子シングルスはBWFランキング1位のアン・セヨン(韓国)が同2位のワン・ツィーイー(中国)をストレートで破り、2大会ぶり2度目の優勝。男子シングルスはシー・ユー・チー(中国)が昨年王者のアレックス・ラニエ(フランス)をストレートで下した。男子ダブルスはキム・ウンホ&ソ・スンジェ組(韓国)、女子ダブルスはタン・ニン&リウ・シェンシュー組(中国)、ミックスダブルスはジャン・ジェンバン&ウェイ・ヤーシン組(同)が制した。
女子シングルスは絶対女王の風格漂わす圧勝だ。現世界ランキング1位で、23年世界選手権&24年パリオリンピックを制している。今季、ここまでワールドツアー7戦中6勝と圧倒的だ。身長170cmで長い手足から繰り出される多彩なショット。レシーブ力も高いオールラウンダーに弱点は見つけにくい。
準決勝で対戦した郡司莉子(再春館製薬所)が「簡単な点数はくれないし、ひとつひとつのラリーが濃い。自分のやりたいことを、なかなかやらせてくれなかった」と口にしたように、ワン・ツィーイーも「相手から圧を感じた」と思うようなプレーができなかったと振り返った。表情を変えず安定したショット、レシーブを続けるアン・セヨンのペースを崩せなかった。
本人は「最初ミスが出て残念だった」と第1ゲーム、3-1から3連続失点を喫した。4-7とリードを許したものの、ここから一気に加速した。強打を続けるなどして、ワン・ツィーイーを追い込み9-7。10-10から8連続ポイントで突き放した。第1ゲームを21-12で制すると、第2ゲームは21-10で取った。今大会全5試合をストレート勝ち。ほぼ危なげない戦いぶりだった。
あまりの強さゆえ、報道陣から「誰も勝てないと思わせるような状況。それでもご自身にまだ成長の余地を感じていますか?」と聞かれると、「他の選手たちが怖がってくれるなら私にはチャンスかもしれない」と笑顔で答え、「(勝ち続けられる)そのレベルを維持するには絶え間ない努力が必要だと思います」と話した。
シャトルのイン・アウトの判断も抜群だ。得点が入っても吠えることなく静かに左拳を握り締めるのみ。コート上では常に冷静なように映る。それは意識しているものなのか。彼女は言う。
「(1ゲームを取るため必要な)21点を取るために長い時間がかかる。そのために自分の集中力を落とさないことが大事。心の持ち方は、常に考えています」
(文・写真/杉浦泰介)