AZ-COM丸和MOMOTARO’S、リーグワン参入へ大型補強 細谷GM兼監督「優勝はマスト」
9日、ラグビーのトップイーストリーグAグループ所属で、リーグワン2026‐27シーズンから新規参入を申請中の丸和運輸機関ラグビー部「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」が都内で新加入選手発表会見を開いた。この会見で発表された新加入選手は2015年W杯イングランド大会&21年東京オリンピック日本代表のFB藤田慶和、日本代表4キャップのPR東恩納寛太、フランスTOP14のリヨンOUから獲得したSOフレッチャー・スミスら6人。細谷直GM兼監督は「ダブル優勝(トップイースト&全国社会人ラグビーフットボールトーナメント大会)はマスト。今シーズンの使命は勝つこと、それを達成することでワクワク感を世の中に発信していきたい」と意気込んだ。

(写真:W杯&五輪に出場した藤田<中央>らリーグワン経験者が集まった)
AZ-COM丸和は昨季トップイーストリーグAグループ昇格1年目で優勝、3地域社会人リーグ順位決定トーナメント戦(現・全国社会人ラグビーフットボールトーナメント大会)では準優勝を果たした。9月7日に開幕した今季、AZ-COM丸和は13日に初戦(クリーンファイターズ山梨戦)を迎える。和佐見勝社長は「目標はリーグ戦優勝、全国トーナメントでも優勝。2つの目標を持って今シーズンは努力していきたい。両方を優勝してこそ、リーグワンに参入できるものと思っています」と鼻息は荒い。続けて、現場を預かる細谷GM兼監督はこう意気込みを述べた。
「和佐見社長がおっしゃっていたようにダブル優勝はマスト。昨シーズンはトーナメントで東京ガスさんに苦杯をなめた。今シーズンの使命は勝つこと、それを達成することでワクワク感を世の中に発信していきたい」
ダブル優勝という“鬼退治”に必要な新戦力が、この日情報解禁となった藤田、東恩納という日本代表キャップホルダー、PR五十嵐優、CTB南橋直哉らだろう。藤田はD1三重ホンダヒート、南橋はD1横浜キヤノンイーグルス、東恩納はD2NECグリーンロケッツ東葛、五十嵐はD2豊田自動織機シャトルズ愛知からの移籍。スミスも21-22シーズンにグリーンロケッツでプレーした。リーグワン経験者がチームに加わり、選手層は確実に厚くなった。細谷GM兼監督は「この戦力はありがたい。しっかりとチームをつくっていきたい」と“助っ人”の加入を歓迎した。
中でも注目は藤田。昨季はヒートでリーグ戦未出場に終わったが、新天地で再起を図る。
「このチームの展望、挑戦にワクワクして加入することを決断させていただきました。このチームであれば、日本のラグビー界に新たな風を吹かせ、名を刻めると確信しています。このタイミングでの加入をうれしく思う。僕自身、いろいろな経験をしてきています。オリンピック、W杯、在籍したチームの経験を生かし、このチームに貢献したい。全国で一番の人気チームになれるよう全員で頑張っていきます」
前日8日に32歳の誕生日を迎えた藤田が、AZ-COM丸和の進化を加速させられるか――。

(写真:「マイクはいらない」と地声で会見に臨んだ和佐見社長)
8月13日にリーグワンが発表した参入申請チームは、AZ-COM丸和と、同じトップイーストリーグAグループの日立Sun Nexus茨城(昨季3位。参入申請は2回目)。今後、この2チームはリーグワンからのフィードバックを受けながら、来年1月末までに“合否”を待つ。
参入条件にある戦績、戦力面における補強も大事だが、ホストエリアの設定やホストスタジアムの保有、育成環境の整備など事業面の強化も抜きには語れない。現時点ではホストエリアとホストスタジアムがまだ未設定だという。ホストエリアは練習場の東京大学丸和柏FUSIONフィールドがある千葉県柏市、また練習場からほど近い柏の葉公園総合競技場をホストスタジアムとして確保することが現実的か。「練習場の防球ネットを越えてボールが外に出た際、目の前に見えるのが柏の葉なんです。“ここでできたらいいな”という思いがあります」と、細谷GM兼監督は冗談混じりに口にしたが、それも本心であろう。
練習場の柏FUSIONフィールドは東大の柏キャンパス内にあり、広さ約5万2000㎡を誇る。フィールドが丸ごと計測機器となる研究設備があるという。細谷GM兼監督はここで蓄えた各種データを有効活用し、アカデミー指導にあてたいと考えている。
「ラグビーアカデミーにしてしまうとパイが小さくなってしまうので、スポーツアカデミーをつくろうと考えています。足が速くなりたい、ボールを遠くに投げたいという子どもたちが、運動能力を高めるためのアカデミーです。もちろんラグビーのアカデミーも進めますが、まずは入り口を広げたい」
動作解析が取れる室内練習場設置も考えており、これらの事業計画についてはリーグワンにも提出済みだ。

(写真:強化面と事業面の両輪を回す細谷GM兼監督)
細谷GM兼監督は事業面について、「我々はリーグワンのチームを持っている会社と規模が違う。ある程度、自力で回していく力を付けるのは絶対に必要なこと」と言う。柏FUSIONフィールドを拠点としたスポーツアカデミーには現役選手の参加を考えている。
「スポーツアカデミーで選手たちが直接教える機会をつくりたい。選手たちにも事業に関わってもらいたいと考えています。選手としてのキャリアを積みながら、並行してホストゲームの運営を手伝ったり、ファンをどうやって増やすとか、エリアマーケティングをどうやって広げていくかを考える。それらができると引退後のキャリアにも繋がる。引退してからキャリアを積むのではなく、デュアルキャリア方式にできるんじゃないかと思っているんです」
AZ-COM丸和のチームビジョンは「同音同響でリーグワン参入を目指す」だ。この「同音同響」とは、AZ-COM丸和ホールディングスが掲げる経営理念に由来する。<社員すべてが同じ目標を持った同志として経営に参画すること>(同社HP)。それは細谷GM兼監督が描く未来像とも通ずるものである。
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