トップイーストA昇格・AZ-COM丸和MOMOTARO’S、新体制発表! 細谷GM兼監督「丸和ピクチャーをつくる」
7日、ラグビーのトップイーストリーグAグループに昇格した丸和運輸機関ラグビー「AZ-MOMOTARO’S」が都内で記者会見を行い、新チーム名「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」と新体制を披露した。GM兼監督に元日野レッドドルフィンズ(日野RD)GM兼監督の細谷直氏、HCにはジャパン2キャップで明治大学のHC兼BKコーチを務めていた伊藤宏明氏が就任。昨年現役を引退していたジャパン通算44キャップのHO木津武士氏がプレイングコーチとして電撃復帰することも発表した。
丸和運輸機関ラグビー部は2013年にチームを発足。関東社会人ラグビーフットボールリーグ3部を皮切りにステップアップし、24年度はトップイーストAでの戦いに挑む。新たな舞台を前に“屋号”を「丸和運輸機関AZ-MOMOTARO’S」から「AZ-COM丸和MOMOTARO’S」に改めた。物流企業の丸和運輸機関の創業者である和佐見勝社長は熱っぽく言葉を紡いだ。
「我が社は業界の中心、心臓、No.1になりたい。それが創業者としての夢でありロマンです。それと同時にラグビーでも。いつかはリーグワンでNo.1になりたい。そのためにGM兼監督をはじめ新しい人に就任していただいた。今後強い組織になっていく。夢と希望を持ってラガーマンとしての力を発揮できるチームをつくっていかなければいけない」
細谷GM兼監督は「社長の言葉を具現化していくのが私の役割」 と言う。チームディレクターとしてNECグリーンロケッツ(現NEC東葛グリーンロケッツ)を02年度日本選手権優勝、監督として日野自動車(現・日野RD)をトップディビジョン(トップリーグ)まで押し上げた経歴を持つ。日野の監督兼GMを去った後は自身の会社でラグビーチームのサポートを行っていた。
「私は完成されたチームよりもこれからのチームに魅力を感じます。日野がトップリーグに上がっていったようなかたち、もしくはそれ以上のものを感じて引き受けました」
リーグワン入りに向け、下地を整える。
「トップイーストAグループで地位を確立し、存在感を示していかなければいけません。今、丸和がどういうラグビーをするかを選手たちとも面談している。まずはみんなで同じ絵を見ようと。“丸和ピクチャー”をつくり上げていく。今いる選手たちでイーストAグループを突破することに加え、我々が新しいことに発信していく。私はラグビー界で確立されたビジネス成功モデルはないと思っている。和佐見社長の力を借りながら、丸和ウェイをつくり、丸和ビジョンを発信していくことによって、“丸和でプレーしたい”と思う人たちを増やしていきたい」
その細谷GM兼監督がチームづくりを進めるためにラブコールを送ったのが日野ラインだ。伊藤HCは日野でBKコーチを2シーズン務め、トップリーグ昇格に貢献。木津プレーイングコーチはトップリーグ昇格後の加入だが5シーズン(細谷GM兼監督とは約3シーズン)プレーした。細谷GM兼監督は自らの“右腕”として指名したのが伊藤HCだ。
「リストをつくる前にまず宏明に連絡をした。彼は職人。チームづくりというところも含めてしっかりやってくれるという信頼関係ができていたので、声を掛けさせてもらった」
2月に福岡で行われたジャパンのトレーニング合宿にスポットコーチとして招聘された伊藤HCは、「丸和ウェイ、丸和スタイルをつくっていきたい。自分たちのスタンダードを持ったチームづくりをしていきたいと思います」と意気込み語った。
木津プレーイングコーチに対し、「申し訳ないと感じていた」と細谷GM兼監督は日野時代を振り返る。
「木津が日野に来た時はまさかの移籍でした。しかし日野ではプレーをしたくでもできない時期が2シーズンあった。それは彼に限らず現役選手にとっては、ものすごく大きなところ。特に彼ぐらいの年齢の選手はなおさらです。引退試合もできなかったと聞き、心が痛んでいました。だから、この話が来た時に“どうだ?”と声をかけたんです」
一方の木津プレーイングコーチは突然のラブコールをどう感じたのか。
リーグワン参入時のホストタウン、ホストスタジアムについては和佐見社長は「まだまだ勉強不足。まずはラグビー環境の整備が私の役割。もっと情報収集していかなければならないので、まだ語れない」と明らかにしなかったが、本社は埼玉県吉川市、練習場は千葉県柏市(東京大学丸和柏FUSIONフィールド)にあり、ここを軸に考えていくのが濃厚だろう。東京大学丸和柏FUSIONフィールドはその名の通り、東大の柏キャンパス内にあり、広さ約5万2000平方メートルを誇る。ここで細谷GM兼監督が描くのは「アカデミーづくり」だという。
「細谷GMから話をいただき、“1回引退って言ったしなぁ”と思いながらも、もう1回ピッチに立てる可能性を考えた時、素直にうれしい気持ちになった。自分に正直に生きようと、ピッチに立てる可能性があるのならば気持ちと身体をもう一度つくり直す。ラグビー以外のところでも丸和に貢献できるよう頑張っていきたい」
コーチ兼任だが、まずはピッチ上で体現する。
「家族にもう1回、ピッチに立つ姿を見せたい。2月から少しずつ身体をつくっていっている。プレーイングコーチという立場ですが、引退ほやほやなので、口でというよりかは一緒にスクラムを組んで身体で教えていくことが今の自分にできるコーチング。若い選手に伝えていければと思っています」
リーグワン参入時のホストタウン、ホストスタジアムについては和佐見社長は「まだまだ勉強不足。まずはラグビー環境の整備が私の役割。もっと情報収集していかなければならないので、まだ語れない」と明らかにしなかったが、本社は埼玉県吉川市、練習場は千葉県柏市(東京大学丸和柏FUSIONフィールド)にあり、ここを軸に考えていくのが濃厚だろう。東京大学丸和柏FUSIONフィールドはその名の通り、東大の柏キャンパス内にあり、広さ約5万2000平方メートルを誇る。ここで細谷GM兼監督が描くのは「アカデミーづくり」だという。
「それはラグビーに限らず、子どもたちが広いグラウンドで身体を動かし、運動能力を高める場にしたい。最終的にラグビーを選ぶ子もいれば、野球やサッカーに行ってもいい。ゴールデンエイジの時期にいい指導を受けられるアカデミーをつくっていきたい」
ラグビーと地域、ラグビーと企業。様々な可能性を丸和が描き、それを日本中に届けるつもりだ。
(文・写真/杉浦泰介)