東京学芸大・落合倖、3度目の全学へ「いろいろなタイプと戦いたい」 ~全日本学生柔道体重別選手権大会~

facebook icon twitter icon

 個人の大学日本一を決める「ALSOK presents 2025年度 全日本学生柔道体重別選手権大会」(全学)は9月27、28日の2日間、東京・日本武道館で行われる。今大会の注目選手として、女子52kg級に出場する東京学芸大学3年・落合倖を挙げたい。優勝すれば、東京学芸大としては2019年大会の佐々木ちえ(女子78kg級)以来となる。女子52kg級に限れば、パリオリンピック女子48kg級金メダリストの角田夏実以来、12年ぶりだ。角田と同じ巴投げ、寝技を得意とする21歳に大会への意気込みを聞いた。

 

考える柔道

――全学は3度目の出場になります。

落合倖: 1年生の時はケガがあってピークをここに持っていくことができず、初戦で敗退してしまいました。2年生の時は東京学生柔道体重別選手権大会(都学)を優勝して臨みました。調子は良かったのですが、ここぞというところで負けてしまい、ベスト8でした。全学は、自分がこれまでやってきたことがどれだけ通用するかが分かる大会だと思っているので、今年もひとつひとつ丁寧に戦っていきたい。

 

――ところで落合選手が東京学芸大に進学した理由は?

落合: 高校(沼田)の柔道部の先生が東京学芸大出身だったので、私の性格を見て「学芸大に合っているんじゃないか」と勧められたんです。稽古を見学に行った際、先輩方が楽しそうに柔道をしている姿を目にし、“ここにしよう”と即決しました。

 

――久保田浩史監督はどんなキャラクターですか?

落合: 研究者っていう感じです。柔道の先生は往々にして「ああしなさい、こうしなさい」という指導が多いのですが、久保田先生は「あれがいいんじゃないか、これがいいんじゃないかな」と一緒に考えてくれるタイプの指導者です。

 

――東京学芸大を選んで良かったと?

落合: もちろんです。最初は頭で理解し、体を動かすということが難しかった。稽古を重ねるにつれ、「先生が言っていたことはこういうことか」と理解できるようになりました。大学に入ってから一度も柔道を嫌いにならず続けられているので、東京学芸大を選んで本当に良かったと思っています。

 

――落合選手の得意技は巴投げ。そして巴投げからの寝技も得意としています。これは東京学芸大OGの角田夏実さんと同じですね。

落合: 巴投げは私にとって軸となる技です。習ったのは小学校6年生の時。そこからいろいろな先生に教わりながら、徐々にかたちになっていきました。高校生になったくらいで、ようやく掛けるだけの技ではなく、きちんと相手を投げられる得意な技と言えるようになりました。

 

――巴投げは捨て身技に分類され、仕掛ける側のリスクも少なくありません。あえてその技を武器とする理由は?

落合: 元々、巴投げ以外の投げ技は得意ではなかった。寝技も得意なので、たとえ巴投げで一本を取れなくても、そのまま寝技に相手を引き込めばいい。私自身、巴投げを仕掛けることに対する不安はありません。

 

相手の裏をかく攻防

――その分、相手に警戒されることもあるでしょう。

落合: 大学に進んでから、稽古でも試合でも巴投げが決まらなくなりました。相手の組み手が巧く、強引に巴投げにいけなくなったんです。悩んでいた時期に久保田先生から「巴投げを生かすための準備をするといい」と教わりました。「巴投げに入るぞ」という、わかりやすい予備動作から、相手の下に潜り込むのではなく、仕掛ける前に違う技を組み込むことで相手の警戒心を散らす。そのおかげで巴投げが決まるようになりました。

 

――角田さんは巴投げからの腕ひしぎ十字固めが黄金パターンです。落合選手は?

落合: 私の場合は抑え込みか、締め技に移行するのが得意です。寝技を仕掛ける際、フェイントを入れることで相手の裏をかくことができる。その攻防が面白いんです。

 

――角田さんは大学時代に柔術の道場に通い、関節技を磨きました。

落合: 私は高校3年時の約2カ月、父と広島の柔術道場に通いました。それまでの自分は力づくで寝技を仕掛けていたのですが、柔術では力を入れずに相手の動きを利用し寝技を仕掛ける。全身を使って相手を抑え込み、関節を取りにいく。この動きを柔道にも取り入れているので、柔術の経験が今に生きています。

 

――最後に大会への意気込みを。

落合: いつも通り、ひとつひとつ戦っていくことに変わりはありません。今回の組み合わせを見ると、普段、対戦しない選手と当たる可能性がある。少しでも多くの選手と戦えることを楽しみにしています。

 

――いろいろタイプの選手と戦いたい?

落合: そうですね。相手が何を仕掛けてくるかわからない楽しみもあるし、自分の“この技がかかるんだ”という発見もあるので、慣れない相手と対戦するのは好きです。

 

――今後の目標は?

落合: 海外の選手と戦い、どれくらい自分の技が通用するのかも試してみたいです。そのためにはシニアの大会で勝っていかないと国際大会にも出場できません。そこに繋がるように目の前の戦いをひとつひとつ勝っていきたいと思います。

 

落合倖(おちあい・さち)プロフィール>

2004年12月27日、広島県生まれ。東京学芸大学3年。52kg級。小学1年時に父親の影響で柔道を始める。川口道場、広島市立沼田高校を経て、2021年に東京学芸大に進学した。小学6年時に全国小学生学年別柔道大会の45kg級で3位に入った。沼田高2年時には全国高校総合体育大会(インターハイ)の女子52kgで準優勝。全国高等学校柔道選手権大会では同級優勝。東京学芸大学では1年時から全日本学生柔道体重別選手権大会に出場。2年時にはベスト8に入った。身長153cm。得意技は巴投げと寝技。オフのリフレッシュ方法は料理と食べること。好きな言葉は「いつも通りで大丈夫」。

 

(取材・構成・写真/杉浦泰介)

 

BS11では「ALSOK presents 2025年度 全日本学生柔道体重別選手権大会」の模様を10月5日(日)19時から放送します。男子の解説は全日本柔道連盟強化委員長で、SBC東京医療大学柔道部の山田利彦部長が、女子はパリオリンピック女子57kg級金メダリストの出口クリスタさんが務めます。 ぜひ中継をお楽しみに!

facebook icon twitter icon

BS11(イレブン)

公式サイトcopy icon

BS11が提供する数多くのスポーツコンテンツの中から、オススメ番組を厳選。 コラム、インタビューを通じて皆さんにスポーツの魅力をお伝えいたします。

Back to TOP TOP