ドジャース、劇的勝利で球団史上初の2連覇達成 〜ワールドシリーズ〜

facebook icon twitter icon

 現地時間1日、MLBのワールドシリーズ第7戦がトロント・ロジャースセンターで行われ、ロサンゼルス・ドジャースがトロント・ブルージェイズに延長11回の末、5-4で逆転勝ち。通算成績を4勝3敗とし、2年連続9度目の世界一に輝いた。シリーズのMVPには、第2戦で完投勝ち、第6戦から連投し、計3勝を挙げた山本由伸が選ばれた。

 

◇ワールドシリーズ第7戦

 スミス、熱戦に終止符打つ決勝弾(ドジャース4勝3敗 ロジャースセンター)

ロサンゼルス・ドジャース(ナ・リーグ西地区1位)

5=000|101|011|01

4=003|001|000|00(延長11回)

トロント・ブルージェイズ(ア・リーグ東地区1位)

勝利投手 山本(3勝)

敗戦投手 ビーバー(1勝1敗)

本塁打 (ド)マンシー2号ソロ、ロハス1号ソロ、スミス2号ソロ

    (ブ)ビシェット1号3ラン

 

 最後のマウンドに上がっていたのは前日先発した山本。試合後、デーブ・ロバーツ監督が「GOAT」(Greatest Of All Timeの略。史上最高)と叫んだように、最高の投手が締め括った。

 

 先発はワールドシリーズ2試合目の登板となる大谷翔平。第4戦で先発し、7回途中まで投げてから中3日のマウンドだ。2回をゼロに抑えたものの、3回裏にボー・ビシェットに3ランを浴びた。ピッチャーとしては、この回途中でKOとなった。

 

 打線は4回にテオスカー・ヘルナンデス、6回にトミー・エドマンの犠牲フライで1点差に迫った。しかし6回裏にタイラー・グラスノーがアンドレス・ヒメネスにタイムリーを打たれ、2点差にリードを広げられた。

 

 8回表、マックス・マンシーのソロで再び1点差に。この回途中から相手クローザーのジェフ・ホフマンを引きずり出した。その裏のピンチは第1、5戦に先発したブレーク・スネルがリリーフして凌くと、9回表1死でベテランが大仕事。36歳のミゲル・ロハスがレフトスタンドに叩き込んだ。

 

 9回裏、スネルがサヨナラのピンチをつくると、ロバーツ監督は山本をマウンドに送った。スネルを含めシリーズ最終戦ならではのスクランブル登板。本職のリリーフ陣以上の信頼を寄せる右腕に託した。山本は2死満塁からセンターに大きな当たりを打たれたが、直前に守備交代でセンターに入っていたアンディ・パヘスがキャッチ。サヨナラの危機を救った。

 

 10回はともにゼロで終え、11回に入った。ここで試合が動く。2死後、ウィル・スミスが決めた。ブルージェイズの7番手シェーン・ビーバーの2ボールナッシングからの3球目、甘く入った変化球をレフトスタンドへ。敵地のファンを静まり返らせる一発で、ドジャースがこの日初めてのリードを奪った。

 

 山本は11回裏もマウンドに。しかし先頭のウラディミール・ゲレーロ・ジュニアにツーベースを打たれた。続く打者の送りバントで1死三塁。さらにフォアボールで還れば逆転サヨナラとなるランナーを塁に出した。

 

 それでも、この窮地を凌ぐのがGOATたる所以か。アレハンドロ・カークをショートへのゴロに打ち取った。ムーキ―・ベッツは二塁を踏み、一塁へ送球。カークが駆け抜けるより早くフレディ・フリーマンのミットにボールが届くと、ドジャースは球団史上初の2連覇を達成した。

 

(文/杉浦泰介)

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP