明大、スクラムで苦められるも5年ぶりV 〜関東大学対抗戦Aグループ〜

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 7日、関東大学ラグビー対抗戦Aグループ最終戦が東京・国立競技場で行われ、明治大学が早稲田大学を25-19で破った。この結果により、明大は6勝1敗で勝ち点35となり、5年ぶり19度目の優勝を決めた。全国大学ラグビー選手権は準々決勝(12月20日、東京・秩父宮ラグビー場)進出。早大は5勝2敗で勝ち点33。対抗戦3位となり、3回戦(12月14日、秩父宮ラグビー場)で関東大学リーグ戦1部3位の関東学院大学と対戦する。

 

 101回目となる早明戦は、紫紺のジャージーが歓喜に沸いた。明大の神鳥裕之監督は「

 

 勝てば対抗戦優勝、負ければ4位という明大は早大との伝統の一戦に臨んだ。しかし引き分けでも連覇が決まる早大に先制を許した。18分、自陣右のラインアウトから左へ展開されると、FB矢崎由高(3年)に個人技でトライを奪われた。CTB野中健吾(4年)にコンバージョンキックを決められ、0-7となった。

 

 互いにPGを決めて迎えた31分、明大は得意のラインアウトモールからトライエリア(インゴール)に迫る。ラックができた後もFW勝負。最後はFL最上太尊(4年)がねじ込んだ。CTB平翔太(4年)のコンバージョンキックも決まり、10-10と追いついて前半を終えた。

 

 後半5分には明大PR田代大介(3年)が早大SO服部亮太(2年)にキックチャージ。「死角から飛び込むように入った」と田代。こぼれ球をCTB東海隼(4年)が拾ってトライを挙げた。17分には平がPGを成功し、18-10と1トライ1ゴール以上の差に広げた。

 

 対する早大もワイドにボールを展開し、得意のBKを生かすアタック。明大の反則を誘い、野中が2本のPGを着実に成功し、2点差に詰め寄る。

 

 後半27分には服部にLO亀井秋穂(4年)がプレッシャーをかけ、キックミスを誘発した。ダイレクトタッチで敵陣ラインアウトを獲得。トライが一度取り消され、ラインアウトの連係ミスでチャンスを逸したかと思われた。「どんな想定外が起きてもやるべきことをやり続けよう、自分たちのプランを信じ続けようと話していたので特に動揺はなかった」とSO伊藤龍之介(3年)。明大は慌てなかった。

 

 ここまで反則を取られ、苦しんでいたスクラムでも意地を見せる。ペナルティーを獲得。再度ラインアウトモールで勝負し、最上がトライエリアにボールを叩き込み、自身2つ目のトライを挙げた。「チーム一丸となって取れたトライ。僕だけではなくみんなで取った」と最上。平のコンバージョンキックが決まり、25-16とこの試合最大の9点差に広げる。

 

 明大は早大に34分にPGを決められ、6点差。ロスタイムを含めた7分、早大の怒涛のアタックを耐えた。トライエリア目前で早大が痛恨のノックフォワード。マイボールスクラムが一度やり直しの声がかかると、伊藤がFW陣に近寄り、1人1人に声を掛けた。「僕が何かを言って変わるわけではないかもしれませんが、『ボールを出してくれればいい』と。あとは『大丈夫』『いける』と軽い言葉ではありましたが肩を叩いて、少しでも安心してもらえればいいと思った」。FW陣もそれに応え、ボールをキープ。最後は伊藤が外に蹴り出し、ノーサイドの笛を聞いた。

 

 明大の今季のスローガンは“完遂”。主将の平は、早大の攻撃を1トライに封じたことを勝因に挙げる。
「危ないシーンはたくさんあったと思うんですけど、完遂というテーマにもあるように、最後の1分1秒までスキを見せずに戦うということはしっかり全員の頭に叩き込んできた。最後まで諦めずに戦った結果が今日の勝利に繋がったと思っています」
 一方で、“完遂”できなったのはスクラムだ。田代は「明治のプライド、心臓であるスクラムで完遂できなかったところは、自分としては満足できない結果」と納得していない。

 

 今季の明大は筑波大学に敗れ、黒星からスタートした。「あの負けがあったからこそ、とは言いたくないです。ただ、あの試合がなかったら、帝京や早稲田に勝つことはできなかったかもしれない。負けをしっかり次に繋げ、慶應大学に勝った後も全員が“このままではまずい”と危機感を持って、変えていこうと思えたことが帝京、早稲田の勝利に繋がった」と伊藤。徐々に調子を上げ、2戦目以降、6連勝で対抗戦を駆け抜けた。「ここは通過点」と平。5年ぶりにAシードで全国大学選手権を迎える。対戦相手は約2週間後、関西学院大学と福岡工業大学の勝者と対戦する。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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