第224回 茨城ダービーが観られる来季のJ1!

facebook icon twitter icon

 早いものでもう2025年の年末です。今年のJリーグは茨城県民にとって、素晴らしい結果となりました。

 

 まずはJ1について。リーグ戦は、鹿島アントラーズが9年ぶり度9度目の優勝で閉幕しました。2位の柏レイソルとの優勝争いは、最終節までもつれる接戦でした。

 

 僕が思うチームのMVPは、FW鈴木優磨です。全38試合に出場して10ゴール5アシストとアントラーズの攻撃を牽引しました。2トップ、トップ下、サイドハーフで躍動していました。ベルギーリーグから下部組織から育ったアントラーズに復帰して、「アントラーズにタイトルを」とずっと言っていました。

 

 OBの僕としては、僕らの代から始まった勝利に対する執念などといったジーコスピリットがいまもクラブから消えていなかった感じが、嬉しかったです。システムが多数あろうが、ポジションごとの役割の根本は大きく変わらずにあるべきです。そして、GKはもちろん、DF、MF、FWごとに中心人物がいることは重要でした。GKは早川友基、DFは植田直通、MFに三竿健斗、FWは鈴木。

 

 そして、JリーグのMVPは早川が選出されました。相手アタッカーとのピンチをことごとくセーブし、クラブを助けました。アタッカーの仕掛ける細かいフェイクや駆け引きに動じずナイスセーブを連発しました。セーブに加えて、ビルドアップでの貢献も大きかった。相手のチェイシングをギリギリまで引きつけ、ボールを散らすプレーぶりはフィールドプレーヤーかと思うほどでした。

 

 彼らをセンターラインの軸にして、鬼木達監督が見事にチームをまとめあげました。彼もジーコスピリットに触れたアントラーズのOBであることは有名です。同郷で同じ釜の飯を食った鬼木監督が、アントラーズをリーグ王者に導いてくれたことはうれしかったです。

 

 さて、茨城県民にとってうれしいニュースがもう1つ。水戸ホーリーホックがJ2を制し、初となるJ1昇格を決めました。J2も熾烈を極めました。最終節まで自動昇格クラブが1つも決まっていない状況。ホーリーホックは勝ち点67の2位で、同69点で首位を走るⅤ・ファーレン長崎を追っていました。ホーリーホックは大分トリニータに2対0で勝利。一方のⅤ・ファーレンは引き分けて、勝ち点は70で並びました。得失点差でホーリーホックがⅤ・ファーレンをかわして、見事J2優勝を決めました。

 

 これにより、来季からはリーグ戦で“茨城ダービー”が実現します。この戦いがリーグ戦で見られるのは、何よりも楽しみです。この2クラブの戦いはもちろん、スタジアムグルメなどの飲食も盛り上がり、経済的な効果を生むことを期待します。今年は茨城県民にとってうれしい結果になり、来季は楽しみな対戦が待っています。

 

 今年も1年、読者のみなさまには大変お世話になりました。来年も、この場所でサッカーに関する事を語っていきます。それでは、よいお年をお迎えください。

 

●大野俊三(おおの・しゅんぞう)

<PROFILE> 元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アントラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。24年1月、長く務めた鹿島ハイツスポーツプラザを退職。新たな夢の実現のため、日々奮闘中。93年Jリーグベストイレブン、元日本代表。

*ZAGUEIRO(ザゲイロ)…ポルトガル語でディフェンダーの意。このコラムでは現役時代、センターバックとして最終ラインに強固な壁を作った大野氏が独自の視点でサッカー界の森羅万象について語ります。

 

 

 

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP