北中米W杯のベースキャンプ地選びで重要なポイントとは
北中米ワールドカップでの拠点となる日本代表のベースキャンプ地は、現時点で決定に至っていない。
F組に入った日本代表の試合スケジュールは6月14日(現地時間15時キックオフ)にアメリカ・ダラスでオランダ代表戦、20日(同22時)にメキシコ・モンテレイでチュニジア代表戦、25日(同18時)に再びダラスで欧州プレーオフB組(ウクライナ代表、スウェーデン代表、ポーランド代表、アルバニア代表)勝者との第3戦となっている。
森保一監督は先月の組み合わせ抽選会後にベースキャンプ地候補となるダラス近郊の施設3カ所を視察したことを明かしている。ダラスは第1、3戦の開催地であり、MLSのFCダラスが本拠を置くトヨタスタジアムを使用できるなど利点は多い。しかしポット1のチームに選択優先権があるレギュレーションのため、難しいという見立てだ。当然ながら併行してダラス以外の候補地選びも進めており、年末に筆者が指揮官に会った際も「どの候補地になっても環境は凄くいいと思います」と語っていた。
今回のベースキャンプ地で大事なポイントは何か。
森保監督はこう語っている。
「選手がストレスにならないように宿舎で快適に過ごせること。しっかりトレーニングに集中できる環境があること」
前回のカタールは地元の強豪クラブであるアルサッドの施設を借り、ピッチ2面、ジム、マッサージルーム、交代浴ができるバス設備など最高の環境で過ごせたことが、ドイツ代表、スペイン代表を撃破するというチームの躍進につながった。宿舎はドーハ市内の4つ星ホテルで、1フロアを貸し切りにしてキッチンも自由に使うことができた。アルサッドの練習場まで車で10分程度。加えて試合会場へのアクセスも良かった。今回も同じように快適性、利便性が重視されるに違いない。
今回で8大会連続出場となる日本代表には、ベースキャンプ地選びにおけるノウハウが蓄積されている。特に2010年の南アフリカワールドカップでは岡田武史監督が掲げた①安心安全②空港に近い③リラックスできる④いい練習グラウンドがある、の4条件は以降のワールドカップでもずっと踏襲されてきた。カタールと違うのは、それぞれの会場に飛行機移動となること。空港に近い、も抜け落ちてはいけないポイントとなる。
また、北中米ワールドカップを戦い抜くにあたって特に必要とされているのが高地対策と暑熱対策だ。事前キャンプ地でやることになるだろうが、チュニジア戦の開催地モンテレイは標高500mほどで、メキシコシティ、グアダラハラに比べれば低地になるため特別な高地対策はやらなくて済みそうだと言える。F組を1、2位で通過できれば、ノックアウトステージに入っても高地での試合は1度もない。
暑熱対策はマストでやらなければならない。第1、3戦の舞台となるダラススタジアムは空調が完備されていて問題なさそうだが、モンテレイは22時キックオフとはいってもこの時期の最高気温は30度を超えるという。ノックアウトステージの戦いを考慮してもベースキャンプ地に入る前の事前キャンプ地でしっかり対策していくことになるだろう。
ベースキャンプ地選びでもう一つ、注意すべき点があるとすれば「寒暖差」である。
2014年のブラジルワールドカップではサンパウロから内陸に100kmほど入ったイトゥに拠点を置いた。グループステージの3会場はいずれも高温多湿で、真夏のような環境だったものの、イトゥは朝、夕の冷え込みが激しく、日本で言えば秋の気配に近かった。現地取材した筆者も、夕方になると長袖のシャツを手放せなかった。チームは多少なりともコンディション調整で苦労したように感じた。
今回、ダラスは日中の気温が30度以上の暑さが予想されるが、空調設備のあるダラススタジアムでの試合となると涼しい環境で試合ができる。それなのにベースキャンプ地での練習環境があまりに暑すぎるとなると当然ながら寒暖差でギャップが出てくる。とはいえ2戦目のモンテレイは暑さが残るなかでのゲームとなる。それぞれの試合に合わせながら、どの時間に練習するかを含めて微調整が必要になってくる。ブラジルでの経験も、きっと参考になるはずだ。
いずれにせよベースキャンプ地選びと、そこでの過ごし方が極めて重要になるということはあらためて強調しておきたい。