最高の景色につながる最高のマッチメークを

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 2026年が幕を開け、アメリカ、メキシコ、カナダ3カ国共催の北中米ワールドカップまであと半年となった。

 

 本大会に向けた準備において大事な要素となってくるのが強化試合。JFAは既にイングランド代表と3月31日(日本時間4月1日)、聖地ウェンブリー・スタジアムで国際親善試合を行なうことを発表している。日本代表は本大会のグループステージでオランダ代表、そして欧州プレーオフB組(ウクライナ代表、スウェーデン代表、ポーランド代表、アルバニア代表)と同組に入っているため、ここでポット1のイングランド代表(FIFAランク4位)とアウェイで試合ができる意義は非常に大きい。

 

 イングランド代表は欧州予選において8戦全勝で勝ち上がった。それも22得点、無失点と攻守に隙がなく、圧倒している。なかでもセルビア代表にアウェイで5点を奪って快勝したゲームは衝撃的だった。史上3人目の外国人監督となったトーマス・トゥヘルがジュード・ベリンガム、デクラン・ライスらタレント集団をうまく束ねており、キャプテンの32歳ハリー・ケインにとっておそらく最後のワールドカップとなるだけに60年ぶりの頂点を目指してチーム全体の士気も高い。

 

 日本が欧州勢と戦うのはドイツ代表、トルコ代表を相手に2連勝した2023年9月の欧州遠征以来、2年半ぶりとなる。UEFAネーションズリーグがあるため、欧州勢となかなかマッチメークできないという事情がある。一方、それは欧州勢とて同じ。今大会から48チーム制に拡大され、イングランド代表としてもアジア勢との対戦の可能性が高くなるだけに本大会まで3カ月という大事なタイミングでの試合で日本代表を対戦相手に選んだというわけだ。結果的にイングランド代表のいるL組にはアジア勢が入らなかったが、それでもラウンド32以降で当たる可能性はある。両者にとってメリットのあるマッチメークだと言っていい。

 

 対戦が実現に至ったのは当然JFAの交渉力もある。ただ、日本代表に対する評価が高まっていけなければ、そもそも対戦相手候補に入らなかったに違いない。

 

 イングランド側に立てば日本代表はFIFAランクにおいてアジア最上位(18位)であり、先のカタール大会ではドイツ代表、スペイン代表を撃破し、クロアチア代表とのラウンド16でもPKまでもつれ込んだ。先述したとおり23年にはドイツ代表を“返り討ち”にしており、ワールドカップでの勝利がフロックでないことを証明している。かつ世界最高峰の位置づけにあるプレミアリーグでは遠藤航、三笘薫、鎌田大地、田中碧、高井幸大が所属している。不気味な“欧州キラー”に映っているはずで、むしろ日本代表を優先候補にしていたようにもうかがえる。

 

 日本側としてもグループステージのみならず「最高の景色」を目指していく大会となるだけに、このイングランド代表を相手に腕試しができるのは相当なプラスになる。

 

 かつて2010年の南アフリカワールドカップで日本代表を指揮した岡田武史監督が「本大会までにいかに強い相手と試合がやれるか」と強豪との対戦にこだわったことを思い出す。大会直前にイングランド代表、コートジボワール代表と戦って2連敗しながらもチームを仕上げていったことが、本大会での躍進につながった。そのとき以来のイングランド戦というのも、何かしら運命めいたものを感じないではいられない。

 

 日本代表はこの欧州遠征でもう1試合予定しており、5月31日には東京・国立競技場で壮行試合を行なう(対戦相手は未定)。そしてアメリカに入ってからも強化試合をこなしたうえで本大会に臨むことになる。イングランド代表戦以外のマッチメークも非常に重要になってくる。グループステージでチュニジア代表と第2戦、そして1、2位で突破すればモロッコ代表との対戦も想定されるだけに可能ならば同じ北アフリカ勢のエジプト代表とは戦っておきたいところ。いずれにせよ森保監督も強い相手との対戦を望んでおり、最高の景色につながる最高のマッチメークを期待したい。

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