ブレイブルーパス、モウンガの逆転トライでスピアーズの連勝止める 〜リーグワン〜

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 24日、「NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26」ディビジョン1第6節が各地で行なわれた。東京・秩父宮ラグビー場での昨季決勝カードは、2連覇中の東芝ブレイブルーパス東京が昨季準優勝のクボタスピアーズ船橋・東京ベイを24-20で破った。ブレイブルーパスは5連勝。スピアーズは開幕からの連勝は5でストップ。次節は2週間後、ブレイブルーパスは三重ホンダヒートとスピアーズは浦安D-Rocksと対戦する。

 

 勝負を決めたのは、やはりこの男だった。後半40分、ブレイブルーパスが敵陣で17フェーズを重ねた。スコアは17-20の3点ビハインド。18フェーズ目、中央でSH杉山優平からのパスを受けたSOリッチー・モウンガは外への展開を考えていた。「最初は外にスペースが空いていると思いましたが、相手がそこに広げようとしていた」。一歩目は外を向いていたが、そこから内に切り返す。タックルを受けながらも、右手を伸ばしてボールをトライエリア(インゴール)内に置いた。コンバージョンキックも自ら決め、4点差でチームに勝利をもたらした。

 

 開幕戦黒星スタートも4連勝と調子を上げてきたブレイブルーパスと、開幕5連勝のスピアーズ。好調のチーム同士の対戦であり、昨季プレーオフファイナルのカードでもある一戦に、秩父宮ラグビー場に1万人を超える観客が集まった。先制はスピアーズ。前半9分、SOバーナード・フォーリーがPGを決めて3点を先行した。

 

 一方のブレイブルーパスはボールを支配しながら敵陣に攻め込む。19分にラインアウトモールからLOマイケル・ストーバーグがトライで逆転に成功した。35分相手のイエローカードにより、数的有利となると、終了間際にまたしてもラインアウトモールが一旦は割れたが、SH髙橋昴平が参加し、そのままトライを挙げた。3戦連続スタメン出場の髙橋はコンタクトプレーに強みを見せるSH。「モールで押し込めそうなところを千切れたので、(FL佐々木)剛からボールが見えていたので入った。自分らしいトライ」と振り返った。モウンガのコンバージョンキックが決まり、12―3でブレイブルーパスのリードで前半を終えた。

 

 後半最初のスコアはスピアーズ。2分、SH藤原忍がラックからボールを持ち出すと、一度は左にいくと見せ、そこで空いた中央のスペースを突いた。サポートに入ったFBショーン・スティーブンソンにパス。スティーブンソンはスピードを生かし、トライエリア中央にボールを置いた。フォーリーのコンバージョンキックが決まり、10-12と2点差に迫った。

 

 スピアーズは強力FWが威力を発揮した。6分、12分、21分とスクラムで相手の反則を誘った。PR紙森陽太によれば「バインドしてから足を下げるのが遅かったので、そのスピードを上げて、いいポジションを取れるようにと話し合った」とのこと。26分にはNo.8マキシファウルアがストーバーグにタックル。LOルアン・ボタと2人がかりでプレッシャーをかけると、ボールがこぼれた。

 

 ここにPR為房慶次朗が反応し、ゲインする。SH谷口和洋からスティーブンソンが抜け出し、フォーリーへオフロードパス。フォーリーがうまく捌いてWTB山田響に繋いだ。今季初先発の24歳はフリーでボールを受けると、そのままトライエリア左に飛び込んだ。スピアーズが再びリードを奪う。フォーリーがコンバージョンキックを決め、5点のリード。

 

 さらに攻勢を仕掛けたのはスピアーズだった。31分にはNo.8からFLにポジションを移していたタイラー・ポールが左を伸ばしてトライエリア内にボールを置いた。しかしTMO(ビデオ判定)の末、ダブルムーブメント(ボールキャリアがタックル成立後、静止した状態から手を伸ばす反則)があり、トライは認めらなかかった。

 

 劣勢だったブレイブルーパスもここで反撃。モウンガが敵陣右奥に蹴り込むと、処理したスティーブンソンのパスが乱れた。一気にプレッシャーを掛け、反則を誘って敵陣でペナルティーを獲得。33分、FW勝負でトライエリア目前まで迫り、最後は大外に展開してWTB桑山聖生が右隅に飛び込んだ。スコアは17―17の同点に追いついた。

 

 37分、自陣での反則からフォーリーにPGを決められたブレイブルーパス。猛攻を仕掛けた。「最後は、みんなで同じマインドを持って、トライを取り切って勝てたことが良かったと思います」とゲームキャプテンを務めたFB松永拓朗。FWで前進しながらスピアーズの壁をこじ開けようとする。最後はモウンガの個人技で仕留めた。ラストパスを送った杉山は「いつも通り。僕は呼ばれたから放るだけ。本当はFWに決めて欲しかった。リッチーは目立ち過ぎです。しゃあないですけど」と冗談交じりに話したが、やはりここぞの場面で顔を出す、千両役者である。

 

 試合後、ブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHCが「後半はトライを取られて逆転もされました。ただ、チームとして掲げている『ボールを動かす』ということを信じてやり切ってくれました」と選手たちを称えたように、後半リードされても慌てなかった。松永はこう胸を張る。
「皆、次の仕事に向かっていましたし、何をやるかということがクリアに話せていました。自分の中では強い東芝というか、去年、一昨年みたいに優勝して勝ち続けているチームと同じ雰囲気をすごく感じられた瞬間でもありました」

 

 一方、スピアーズのゲームキャプテン、フォーリーは「ブレイブルーパスはなぜ2連覇をしているかを示した。最後まで戦い抜くことができるレベルの高いチーム。最後の部分は我々の集中力が欠けていた。学びの部分もたくさんあった。これがシーズン後半でなく良かった」と振り返った。フラン・ルディケHCは「最後の最後で冷静や精度が足りなかった。学びが多い中で、どれだけ吸収して強くなって帰ってこれるか」と前を向いた。

 

 両軍は2カ月後の3月28日、東京・スピアーズえどりくフィールドで再び激突する。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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