YOKOHAMA TKM、強みのFW生かして初の単独日本一 〜全国女子ラグビーフットボール選手権大会〜

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 1日、第12回全国女子ラグビーフットボール選手権大会決勝が東京・秩父宮ラグビー場で行なわれ、YOKOHAMA TKM(関東1位)が横河武蔵野Artemi-Stars(関東2位)を21―12で下した。同大会制覇は単独チームとして初。合同チームを含めると9年ぶり2度目の優勝となった。

 

 OTOWAカップ関東女子ラグビーフットボール大会を優勝したTKMが、関東で優勝を争ったArtemi-Starsとの関東対決を制した。

 

 序盤は押し込まれる展開だったが、TKMは粘り強いディフェンスで耐えた。好ランナーを揃えるBKと推進力あるFWが一体となったアタックで徐々にペースを握る。23分、SO山本実がトライエリア左中間に飛び込んだ。FBイェンゴのコンバージョンキックが決まり、7点をリードした。

 

 対するArtemi-Starsも自慢のFW陣でトライエリアに迫る。TKMに粘られたものの、30分にLO櫻井綾乃がフィニッシュ。5-7と2点差と迫った。前半はこのままスコアで終わった。

 

「苦しい戦いとなることは予想していた」とはTKMの長谷部直子HC。後半は肩を痛めたHO根塚智華のラインアウトのスローが乱れ始める。「相手のプレッシャーや、ミスが続いたことで自分のプレッシャーもあり、立て直すのが遅くなった」。マイボールをキープできず徐々にペースはArtemi-Starsへ。

 

 15分、Artemi-StarsがTKMの反則でゴール近くでペナルティーを獲得。ショットを選択せず、外に蹴り出してトライを狙う。すると直後の16分、ラインアウトモールからHO谷口琴美が飛び込んだ。FB西麻衣子がコンバージョンキックが決まり、12-7と逆転に成功する。

 

 TKMはWTBアカニシ・ソコイワサらがゲインし敵陣に攻め込む。FWがスクラムでペナルティーを獲得するなど勢いはTKM。25分、LO西村澪がタックルを受けながらも「“自分が取る”という気持ちで手を伸ばしました」とポール下に飛び込んだ。「外国人選手たちがゲインしてくれて、そのおかげで私たちFWもゴリゴリと前に行けた。チームで取れたトライ」。山本がコンバージョンキックを決め、TKMが再びリード。その後もスクラムで優位に立った。36分、ゴール前でラインアウトモールで前進。相手の反則を何度も誘い、ペナルティートライ。21-12で勝利した。

 

 創部15年目、9年前の優勝は東京Phoenix(現・東京山九フェニックス)、ARUKAS(現・アルカス熊谷)との合同チーム。今回が初の単独チームでの日本一だ。「FWはセットピースのところにこだわってきたので、スクラム、ラインアウトで勝つ。BKは外国人選手が多い中で、深いコミュニケーションを取り、いいランナーが多いのでそこに繋げていくかたちがチームの強みかなと思います」とFL永岡萌。司令塔の山本も「どこからでもスコアできるチームになった。今日、スコアしてくれたのはFWが多かったですが、BKで展開している中で強いFWが前に出てくれる。バランスのとれたチームになったと思います。いろいろなところにスペースが見えてくるので、SOとしてもありがたいです」と笑顔で語った。

 

 2年連続で聖地・秩父宮での決勝となったが観客数は昨季を大きく上回る3537人。女子ラグビーの盛り上がりを感じさせた。TKMの永岡は「ファンの方や協会の方がSNSなどを通して拡散していただいたおかげで、お客さんが入った。女子ラグビーの発展に繋がる」と関係者に感謝。長谷部HCは「私たちが現役の頃、無料でも人が入らなかった。有料になってもこれだけの方に応援してもらえているのがすごくうれしいです」と感慨深げ。「まだまだ3倍、4倍と男子を超えるような観客を目指したい」と続けた。Artemi-Starsの藤戸恭平HCは「女子のラグビーのレベルが上がってきたからこそだと思います。見ていて感動する試合ができているので、あとは知っていただくことをみなさんの力を借りていきたい」と先を見据えた。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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