第225回 混戦を演出する百年構想リーグのレギュレーション

facebook icon twitter icon

 早いもので2026年が明けて1カ月が経過しようとしています。遅くなりましたが読者のみなさま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 

 さて、2月からは明治安田Jリーグ百年構想リーグがスタートします。まずはレギュレーションを確認しましょう。特別仕様の大会は、J1(20クラブ)とJ2・J3混合(40クラブ)の2リーグ編成です。各リーグが「地域リーグラウンド」を東西に分かれて対戦します。「地域リーグラウンド」後、東西の垣根を超えての「プレーオフラウンド」で最終順位を決定します。

 

 通常のリーグ戦との大きな違いは、地域リーグラウンドでの勝ち点算出方法です。90分で勝利すれば勝ち点3、負ければ0。これはリーグ戦と同じですが、90分で決着がつかない場合は、PK戦が実施されます。PKによる勝利は勝ち点2。PKで敗れても勝ち点1を獲得できます。ユニークなレギュレーションで、通常のリーグ戦と差別化を図ります。J1は6日から順次、J2・J3は7日から順次開幕します。

 

 このレギュレーションから、“混戦をつくりたいのかな”と察しました。開幕してスタートから出遅れるクラブ、準備がしっかりしているクラブの差が出にくいと予想します。サポーター目線だと仮にPKで敗れても、「今日負けても、勝ち点1しか離れないぞ!」と思えます。元プロの僕は、「PKで勝っても1しか離せないのか」と思うかもしれない(苦笑)。とてもユニークなレギュレーションのため、開幕して選手たちの様子を見ていく必要性がありますね。いずれにしても、混戦を演出してくれそうです。

 

 90分を終えて、同点だと即PK戦――。すごく良いアイデアです。Jリーガーたちは、PK戦を多く経験できる。百年構想リーグを機に、PKについて考えを改めるクラブ、監督、選手は多いでしょう。

 

 僕の現役時代、ジーコの提案で毎日、練習後に全員でPKの練習をしていました。チームメイトですから、GKも僕たちキッカーも慣れてきます。それでも、一定の効果はありました。駆け引きも上達するものです。それに、PKが意識づくと試合前にPKスポットを確認するようになります。僕は右利きなので、軸足の左足を置くあたりが「このグラウンドは滑りそうだな」と言った具合に。

 

 Jクラブのスタッフ、選手たちのPKに対する意識向上が狙いでしょう。それは日本代表がW杯のベスト16で涙を飲んでいることが背景にあるはずです。クラブスタッフも、キッカー選出の際、確率の高い選手の見極めに力を入れるでしょうし、サポーターもPK戦のどきどきハラハラ感を楽しめる良い機会になりそうです。

 

 今年もJFAシニアフェスティバル in 千葉 ~千葉県高校サッカー部OB交流フェスティバル~に参加してきました。1月11日、12日と2日間にかけて夢フィールド幕張で行なわれました。今年で第5回を数えます。振り返れば、初年度は1日で全体のスケジュールが終わっていたのに、2日間にわけないと収まりきらないくらいのチーム数になりました。サッカーも生涯スポーツになりつつあることが、うれしいです。僕はオーバー60のチームで、先輩たちとボールを追いかけました。懐かしいメンバーが集い、交流を図れるところに、シニアサッカーの良さが詰まっています。

 

●大野俊三(おおの・しゅんぞう)

<PROFILE> 元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アントラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。24年1月、長く務めた鹿島ハイツスポーツプラザを退職。新たな夢の実現のため、日々奮闘中。93年Jリーグベストイレブン、元日本代表。

*ZAGUEIRO(ザゲイロ)…ポルトガル語でディフェンダーの意。このコラムでは現役時代、センターバックとして最終ラインに強固な壁を作った大野氏が独自の視点でサッカー界の森羅万象について語ります。

 

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP