I’moon、“太陽”の熱浴び月下に花咲かす 〜D.LEAGUE〜

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 Medical Concierge I'moon(メディカル・コンシェルジュアイムーン)は日本発のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE 25-26シーズン」でROUND.6終了時点で4勝1敗でBLOCK HYPEの3位に付け、チャンピオンシップ(CS)出場圏内にいる。昨季から様々なダンスジャンルへの挑戦が目立つが、その勢いを加速するため新たに3人のメンバーが加わった。そのうちの1人ワッカーのMEMEと、ディレクター就任3季目のMIZUEに話を聞いた。

 

 新メンバーはワックのMEME、ロックダンスのsade(シャーデー)、幅広いダンスジャンルを経験してきたKona。補強の狙いを、ディレクターのMIZUEはこう語る。

「I'moonは団結力がすごく強く、みんな努力家で対応能力もプロフェッショナルだったのですが、天才肌の子たちを入れないと、これ以上、上にはいけないと感じていました。それで一昨シーズンぐらいから新戦力を探し始めていた。MEMEのことはずっと気になっていたので、直接的な関わりはなかったんですが、InstagramのDMで一番最初にメッセージをして声をかけさせてもらったのが始まりですね。それぞれのジャンルで日本を背負っていたり、経験値が高いというのは、心の強さにも繋がりますし、作品を創る上でも彼女たちのダンスが名刺代わりとなり、前面に出て作品に花を添えてくれる。練習を含めI'moonに新しい風を吹かさなきゃいけないというところが強かったんです。D.LEAGUE以外でいろんな感覚を手に入れた子たちと、D.LEAGUEの感覚を持っている子たちが交わることで、いいケミストリーが起きるんじゃないと期待しているからです。私たちのチームは、まだ成長過程にある中で、スペシャリストらを入れ、チームをさらに向上させるのがディレクターの仕事」

 

 MEMEはROUND.1から、3戦連続でエースで起用された。エナジー溢れるアームスイングを披露。12.5%の配分のエースパフォーマンスで、7.6%を獲得。トータル53.7対46.3の勝利に貢献した。ROUND.2でも7.6%、ROUND.3では6.9%。チームを2勝1敗の好スタートに導いた。またROUND.1でのインタビューでは“陽キャ”なところが垣間見えた。そのことを本人に問うと「陽キャです。ずっと口が止まらないんですよ。もうなんかずっと喋ってますよね。すみません」と傍にいたMIZUEに向けて頭を下げた。

 

 それを受け、MIZUE は「彼女は今、大阪に住んでるんで、練習の時だけ東京に来てくれる。MEMEが来た時、台風みたいなんですよ。もうブワーッて来て、ブワーッて帰っていく。前日から、みんなでうるさくなるぞ、といい意味で話していました。他のメンバーは東京を拠点にしていますが、この子の性格なんで、遠くてもそれを感じさせない不思議な力を持っています」

 

 カラッとした明るいキャラクターは太陽を想起させる。身長は150cmと小柄でI'moonの中でも目立つが、ひとたびダンスを踊れば大きく見える。MEME 本人は「もうめちゃくちゃコンプレックスです。、ほんまに外人とかやったら、ここが腰ぐらいなんです。だからこそ内から出るエナジーを意識して踊ると、自然と大きく見えるのかもしれません」と語る。

 

「エナジーが強くないと、大きな会場で人に届かない。ジャッジもオーディエンスもエナジーを感じ取る探知機はちゃんとあって、そこを届けるためにエナジーが強い子っていうのは、今季加わった3人のメンバーを選ぶ上で重要視した部分でした」とはMIZUE。今季からリーダーを務めるSerinaは新加入の3人について、開幕ROUND後にこう話していた。
「MEMEに関しては、バトルにすごく出ているので、ソロやエースのスキルだったり、バトルのスキルをみんなに共有してくれています。MEMEのダンスを見て、みんながちゃんと刺激をもらって自分たちに活かすという土台が付いてきた感じがします。sadeはロッキンがすごく上手で、そのグルーヴは唯一無二と言いますか、誰にもないものを持っています。私たちはその姿を見て、ダンスの楽しさをもっと皆さんに伝えれるよう、シェアをすることが多い。Konaはヒップホップやハウスなど、いろいろなジャンルを踊れる子。その意味でも3人はI'moonの様々なジャンルのスキルを上げてくれていると思います」

 

 補強に成功したという結果で表れている。ROUND5終了時点での4勝1敗は対戦形式となってから最多のペースである。昨季は5勝。今季は2ブロック制となり、ROUND数はほぼ半分にもかかわらずだ。シーズン勝ち越しは既に決まっている。

 

 I'moonの武器といえば、シンクロだ。今季はシンクロ獲得率で全体2位タイ(ROUND.6終了時点)。シンクロパフォーマンス以外でも8人が息の合った踊りを見せる。

「絆的なものがシンクロに多分あると思ってています。どれだけ相手に厳しいことを言っても、受け手は傷つかないスタンスを持っている。それだけシンクロのミスに関して、注意してる側の人のことを信頼してるからです。そこに対し、少しの濁りもないから、“わかりました”と受け入れられる。それがシンクロの精度を上げやすい要因だと感じています。正直、シンクロの項目が始まった時は、I'moonでもギスギスした瞬間はもちろんありましたね。でも段々、メンバーたちも慣れてきてた。これはこういう仕事、こういうダンスなんだという解釈をみんなが落とし込めていて、かつ相手のことを信頼している。これが勝つために必要なことだし、だからこそ注意していると相手を100パー信頼しているんだと思います。他のチームのやり方はわかりませんが、うちのチームはかなりクオリティーが高いんじゃないかなとは思います」

 

 高いシンクロ率について、ディレクターならではの悩みもMIZUEは明かす。

「揃えたくないのに揃っちゃう時がある。個性を出したい場面で、出せない。ないものねだりかもしれませんが、やはりもっと個性をどんどん進化させていかなきゃいけない。このチームで、このメンバーだからこそできるシンクロにはすごく誇りに思ってる一方で、いい意味でも悪い意味でも揃ってしまうと捉えているのが私の本音です」

 

 今季の目標はチーム初のCSだ。だが、「結果だけではない」とMIZUE は言う。

「チームが内からちゃんと変わること。結果だけだと来シーズン、ダメになる。内から変わって結果を出し、CSで結果を残す。それが私がI'moonのディレクターを引き受けた責務。それまで私は彼女たちが泣いている姿しか見たことがなかった。だから、絶対にこの子たちを笑わせよう、CSのステージで笑わせたい」

 

 夜にだけ咲く月下美人という花の花言葉は「強い意志」「秘めた情熱」だ。まさにI'moonを想起させる。トヨタアリーナの夜に咲かそうとする花は、CSが行なわれる5月31日に笑顔で満開となるのか。

 

(文・ツーショット写真/杉浦泰介、ROUND写真╱©️D.LEAGUE25-26)

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